【ロンドンに飽きたとき、その人は人生に飽きたのだ】
サミュエル・ジョンソンはこういった。世界を代表する大都市であるロンドンはさすがに市域も広く、見所も多い。なにしろ7つの海を制した大英帝国の首都である。 2階建バスやチューブ(地下鉄)を見ていると、ここはロンドンだと実感させられる。そして、ビックベン、テムズ川、バッキンガム宮殿など、世界的に有名なものがここにある。ここはロンドン、やっぱり世界の中心だ。 前回ここに来たときは12月の真冬、それはそれは寒くて暗い街であった。少し前の英国病という言葉がぴったりくるような街に見えた。いつも雲が低く垂れ込めていて、日中ずっと暗い。こんな街は嫌だ、と思ったものだ。 しかし、2回目に行ったのは、イギリスが最高の季節である6月。前回の印象は軽くふっとんだ。何百年も前から建っていると思われる建物は格式高く見え、夜の10時ぐらいまでは明るい街並みには人があふれていた。 白人はもちろん黒人、アジア系の民族が入り乱れるこの街は、心なしか明るく見えた。 【ロンドンの駅】 ロンドンの駅はややこしい。ロンドン駅とかロンドン・セントラル駅といった駅はないのだ。網の目のように地下鉄が走り、環状線(サークルライン)の各駅が鉄道のターミナルとなっており、行き先によって鉄道に乗る駅が変わる。 事前に入念な下調べがないと、かなり迷うことになるだろう。これは、1947年まではイギリスの鉄道はすべて私鉄であり、各私鉄がイギリス各地からロンドンへ乗り入れてきたとき、中央部はびっしりと家が建っていたため、 周辺部にターミナルを設けるしかなったという理由によるものらしい。 以下は今回使った鉄道駅を掲載する。 【キングス・クロス駅(King's Cross)】 イングランド北東部、スコットランド東海岸方面にいく列車の発着駅である。つまり、ここからはヨークやエジンバラにいけるのだ。私はエジンバラからロンドンに帰るときに利用した。超特急なのでエジンバラからわずか4時間で到着。 快適な旅であった。 【ビクトリア駅(Victoria)】 バッキンガム宮殿やキングスロードなどに近いなどあって大きく、かつおしゃれな感じのする駅である。ロンドンの南と南東方面へ行く通勤・短距離列車が主である。私はウィンチェスター、ポーツマス、サウザンプトンへ行くときに利用した。 また、ガトウィック空港に行くときの起点。 【ウォータールー駅(Waterloo)】 ロンドンと南西方面を結ぶ列車の発着駅。ユーロスターの発着駅でもある。1815年ウェリントン公の率いる連合軍がナポレオン軍を破ったベルギーの古戦場からとった名前。私はウィンチェスターからの帰りに利用した。 ここからタクシーに乗った時、ビッグベンが近くに見えて感動したものだ(右の写真)。 【マリルボン駅(Marylebone)】 マリルボン駅はロンドンの北西部にある駅。ロンドン北西郊外に行く通勤・短距離列車の発着駅でありターミナルの中で最も小さい駅。私はバーミンガムに行くときに利用した。 バーミンガムなら通常、パディントン駅を使う人が多いが、現地の方の案内によりマリルボンから乗ったほうが早くて人も少ないということで、こっちを使った。 【パディントン駅(Paddington)】 ブリストル、カーディフに行くときに利用した。ロンドンとイングランド西部、ウェールズ南部を結ぶ列車に乗るときはここを利用する。 【その他の駅】 上記以外は利用しなかったが、ほかには「ロンドン・ブリッジ駅(London Bridge)」や「チャンリング・クロス(Charing Cross)」などがある。 【ガトウィック空港】 ロンドンといえばヒースロー空港であり、日本から行く場合、ヒースローばかりに到着する。しかし、2007年11月のロンドン訪問時、ロンドンを基点にクロアチアとポルトガルに行ったため、ガトウィック空港を利用した。 あまり知らなかったのだが、ロンドン・ガトウィック(LGW)空港は、ヒースロー空港に次いでイギリス2番目の空港であり、年間3000万人が利用する世界でも10番以内に利用者の多い国際空港のようだ。 滑走路が1本しかないのにこれだけの利用者がいるというのもすごい。ヒースローに比べたらロンドン中心部から遠いが(ロンドンの南45km)、ガトウィックエクスプレスを利用すればビクトリア駅から30分で到着する。 ガトウィックエクスプレスは、南ターミナルに到着するが、南北2つのターミナルは、モノレールで接続されており2分で北ターミナルにいける。 ただ、到着する南ターミナルでは、北ターミナル出発の飛行機の掲示板がなかったため、自分が乗る飛行機がどっちのターミナルから出発するのか事前に確認しておいたほうがベターだろう。 ガトウィックエクスプレスは、このWebから予約できる。普通車往復(Express Crass Return)が26.8ポンド、普通車片道(Express Crass Single)が15.9ポンド、グリーン車往復(First Crass Return)が44.0ポンド、 グリーン車片道(First Crass Single)が23.5ポンドとかなり高いが、普通車でも乗り心地はグッド。イギリス特有の往復ならかなり割安になる料金設定だが、私の場合、クロアチアは往復で買えたが、ポルトガルは帰りは ヒースローだったので割高な片道券を購入。 Webで購入すると番号が表示されるのでそれをアウトプットして車内で車掌に見せればOK。イギリスは改札がないので、ビクトリア駅に行ってガトウィックエクスプレスに乗るだけでいいので、切符を買う手間もなくてよかった。 もちろん券売機でも購入できるが、沢山並んでいるときなどは待たなければならないのでWebがお勧め。窓口もひとつしかなかった。 それ以外には、サウス・セントラル鉄道(South Central Trains)を利用するとビクトリア駅から45分、シャトルバスだとナショナル・エクスプレス(National Express)がビクトリア・コーチ・ステーションから約1時間間隔で、 所要時間は1時間30分で結んでいるようだ。 なお、このページがわかりやすく説明している。 (左)ビクトリア駅の切符券売機。もちろんカードも使える。 (右)マニアには受けると思われるガトウィックエクスプレスの車体。中も綺麗で快適だ。 【写真紹介】 2003年6月訪問時 4年ぶり2回目なので、何か懐かしさがあったが、前回は12月だったから、それはそれは暗〜い街だった。でも、今回はイギリスでも最高の季節、やっぱりこの時期に来るのに限るね。 (中)これも夕暮れ時のロンドン。ビジネスマンと観光客が入り混じっていた。 (右)街を歩いていたら偶然発見した。王立裁判所だ。日本で言う最高裁判所とったところか。 (左)ロンドンの名所といえばこのビッグベン。この日は日曜日でもあり、かなりの観光客がごったがえしていた。ヨーロッパ始め、アジア系、中東系、アフリカ系など、世界各国から観光客が来ていた。 本当にこの時期はイギリスのいい季節なので、世界中から集まるらしい。やっぱり、ロンドンに来れば、テムズ川沿いのこのビッグベンに来なけりゃね。わざわざ行ってよかった。しかし、川向かいに観覧車ができていて、なんかムードが台無しだと思うのは俺だけかな? (中)議事堂側。 (右)ロンドンから北に30分ほど行ったところにセント・アルバンスの街がある。閑静な住宅街だ。ここも仕事で来なければ、絶対にこないだろうな、と思う。しかし、意外にビジネスマンの乗降客が多かったので、結構、会社もあるのかもしれない。 2007年6月訪問時 今回は夜景をテーマに写真を撮ってみた。11月後半ともなると16時には暗くなるので必然的に夜景を目にすることが多くなる。 (左)オクスフォードサーカスの交差点で。この近くにある日本料理やに2回ほど行ったが、ここはいつもすごい人だ。 (中)オクスフォードサーカス近くで2階建てバスと街並み。2階建てバスは外観が美しくなったものだ。 (右)ウィンチェスターの街。後1ヶ月弱でクリスマスでもあり、街はイルミネーションが綺麗だ。 (左)ビクトリア駅から見た朝焼け。左手にあるビルはロンドン交通局が入っている。 (右)ピカデリーサーカス駅。この近くの大きな本屋が目的だ。 【ホテル紹介】 ロンドンは何かと物価が高い。そこで現地駐在員の協力を得てマイプレイスホテルという破格値のホテルを予約した。ホテル宿泊代が2万円を平気で超えるなか、ここはなんと55ポンド(約11,000円)というから驚き。 しかも受付嬢が綺麗!(アルバイトだと思うが)しかし、ホテルの階段はこわれかけてたし、部屋に入るとスーツケースを置くスペースがないし、トイレの水が流れにくかったしで悪戦苦闘したものだ。それでも朝食つきでこの値段は安い。 決してお勧めはしないものの、安いところに泊まりたいというのであればここがいい。ロンドン南西部、ディストリクトラインのアールズコート(Earl's Court)駅からすぐのところにある。 (左)ホテルの外観 (右)室内。ほかにツインの部屋もあるようだ。 安く泊まろうと思えばMy Place Hotelだが、2007年11月は一緒に行った人とあわせたため、ヒルトン・ケンジントンに宿泊。ヒルトンといっても部屋はそんなに広くないし、バスルームの天井にはしみがいっぱいあるし、高い。 最低料金が25千円となるからびっくりだ。部屋からネットをつなぐと、1時間6ポンド、1日で15ポンドでこれも高い。ロンドンの物価は高い! なお、最寄駅はシェパードブッシュだが、そのあたりはあまり治安がよくないため、セントラルラインのホランドパークから10分ほど歩いてホテルに行っていた。ホテルからシェパードブッシュよりにはあまり行かないほうがいいだろう。 (左)ホランドパークからホテルまでは高級住宅街なので比較的安心して歩ける。 (右)ちょっと狭い部屋。荷物散乱中。 |