1日目 KIX⇒北京⇒ウルムチ⇒アルマトイ
カザフスタンまではかなり遠い。直行便がなければ移動に1日かかる。6時過ぎに起きてKIXに向かう。パスポートは自動化にしているのでとても通過が早い。818にKIXについて9時にはたばこなどを買ってラウンジに入った。カレーなどを食べてゆっくりしたあと北京行きの飛行機に搭乗。定刻10時だが20分遅れて出発。3時間で北京に到着。ここまでは無料航空券である。北京空港はとても広くターミナルが変わると結構大変だということがよくわかった。到着がターミナル3だったが、ここはよく使うところなので慣れている。ここからウルムチ行の南方航空はターミナル2から出る。12:30に北京に到着し、イミグレ通過して一度外にでたのが13:10。そこからターミナル2まで移動して到着したのが13:50。14：50発のウルムチ行なので結構ぎりぎり。なんとか飛行機行きのバスに乗れて14:40に出発。北京からウルムチまで5時間もかかる。日本からよりも遠いのが不思議。
ウルムチ間際になると天山山脈がとても美しく見えた。北京は定刻どおりに出発したのに、ウルムチ着はなぜか50分遅れの19:50着。北京空港でなかなか離陸できなかったためだろう。そのためウルムチの乗り換え時間がとても短い。南方航空の地上係員が搭乗口まで誘導してくれる。ほぼ誰もいないターミナルを北京からついた乗客だけがついていき、イミグレも通過する。搭乗口には待っている乗客がいたので少し安心。隣の喫煙室で安堵の一服。ウルムチ出発は20:50だがなぜかまだ明るい。中国は広大な国土のわりに時差がないので、西のほうはこんな時間でも明るいのか。ウルムチからカザフスタンのアルマトイまではすぐである。2時間ほどで到着。時差が2時間あるので20:40に到着。到着間際はまだ天山山脈がかろうじて夕日が当たってとても美しかった。
ウルムチは簡単なつくりの空港のイミグレを通過して外へ。ライターが中国で没収されていたのでライターと水を空港で買って外へでる。外にいくと大勢のタクシー呼び込みがいる。ガイドブックではとても悪質と書いていたが、そんな感じではなかった。市内まで移動するのが面倒だったので空港のすぐ横のホテルを予約していた。タクシーに乗らないかと声がかかるが、ホテルはすぐそこ。歩いて1分ほど。しかし、どう見てもかなり古い。しまったかと思いながらもチェックイン。部屋に入るとこじんまりしたベッドが2つ。ベッドは悪くない。しかし、シャワールームに行くとかなり汚い。それほど汗もかいていないため体をふいたまま寝る。長旅の疲れもあるので22:30には就寝。
1日目 アルマトイ⇒イシククル湖
7時起床。外は晴天、とても気持ちがいい。5月といえどここは高地、まだ肌寒い。ホテルのベランダから空港が見えるが、快晴でとても美しく見える。今日はイシククル湖までいっきにいくので天気がいいしとても楽しみである。8時にガイドさんが迎えに来てくれてベントで出発。運転手はロシア系、ガイドさんは日本の立教大学に留学にきたことのあるキルギス出身の女性。日本語が堪能である。キルギスのビシュケクにある旅行社から来てくれているので、この日は早朝にキルギスを出発してアルマトイまで来てくれたようだ。しばらく雪をかぶった山を見ながら快適なドライブを楽しむ。アルマトイから2時間30分ほどでカザフスタンとキルギスの国境に到着。結構時間がかかるかもといわれながらも歩いて10分ほどで通過。結構ラクチンだった。間には川が流れている。濁流で濁っている。国境を通過するとありがちな両替商が並んでいる。車の通過は時間がかかるのでしばらく待つ。結局国境は30分で通過。
そのあと40分ほど走ると、こじんまりした街についた。ここで昼食をとる。いい感じの公園にいい感じのレストランがあった。付近の住民の憩いの場になっているようだ。AMANAホテルというホテルも併設されている。ここで中央アジアに来ればこれ、というラグマンを注文する。ラグマンはラーメンの元になったもので、中央アジアのヌードルである。汁ありとなしがあるが、どちらもうまいのである。汁なしラグマンと肉入りスープにした。どちらもうまい！ウズベキスタンの汚いレストランでたべた超絶おいしかったラグマンが懐かしい。すべての料理がおいしかった。
そこからさらに進むがとにかく景色が雄大である。山道を通るときには道路に牛がいて和み、雪山を見ながら車は走る。雪山はずっと見ていてもまったく飽きない。ビシュケク近くになったが、この日は立ち寄らずにイシククル湖に直行する。昼食をとったレストランから2時間ほどすると湖が見えてきた。興奮する。湖を見ながら30分ほど走ると、イシククル湖の北岸の遺跡に到着。ここは岩絵野外博物館であり、広大な野原に大きな岩があり、そこにはいろんな絵が描かれている。ガイドさんによると4000年も前の絵らしい。そんな前からこの地に人が住んでいたのか、と思うと感慨深い。特に入り口近くのヤギは見事に残っている。やはり石というのはずっと残っていくのだろう。さらにここからのイシククル湖の眺めが素晴らしい。ただでさえ美しい湖であるが、歴史を感じる高原と奥に広がる雪山との対比がさらに素晴らしさを増している。ここに来てよかった、そう感じる瞬間だ。
岩絵野外博物館でずっといたいところであるが、17:30になってきたのでホテルに向かうことにした。博物館の近くには滑走路跡地がある。昔は空港になっていたようだが、今は使っておらず、単なる道路で使っているようだ。ホテルまでは30分ほどであるが、ホテル近くにはスタジアムがあったり、カザフスタン大統領が避暑を楽しむ別荘があったりと、ある程度の街になっている。ホテルは最近できたらしい新しいホテルだ。ベランダもついていてとても快適である。夕食を食べる前にホテル近くを散策すると、一戸建ての家もたくさんあって、別荘と併設になっているようだ。ひとつの街のようになっている。湖まで2～3分歩けばつくが、これがまた美しい。水がとても透明できれいだ。夕暮れ時のイシククル湖を堪能したあと、夕食を食べる。サラダ、スープ、魚などとても美味しい。とても満足。ガイドさんも夕食まで付き合ってくれる。そのあと、もう一度湖までいってみる。夜になってきているが、やはり美しい。月がでてきており幻想的。20:30になるとさすがに寒くなってきたのでホテルに戻る。するとビリヤードをやらないかとホテルマンが言ってくる。せっかくなのでやってみる。久しぶりである。ガイドさんもなかなかうまい。キルギスの初日はとても満足である。0時に就寝。
（左）アルマトイ空港 （中）岩絵野外博物館からみるイシククル湖 （右）ホテルからの景色
3日目 イシククル湖⇒ビシュケク
この日はこの旅のメインイベントであるイシククル湖のクルージング！8時に起きたがとてもいい天気である。楽しみが倍増する。ホテルで朝食を食べたあとに湖周りをまた散策。朝もこれまた美しい。ホテルを10時に出発。近くの港にいきすぐにクルーズに出発。クルーズ船であるが客は一人だけで貸し切り状態。漁船に毛の生えた感じではあるが、それは気にしない。出向すると青い湖のなかに滑り込んでいく感じ。この青さは何だろうと思いつつも景色を堪能する。空と湖の青さと奥に見える山々が美しい。6000メートル級の山々が連なる光景は圧巻である。湖の上はまだ寒いが、景色が美しすぎてまったく苦にならない。20分ほどではあったが、とても堪能することができた。ちなみにイシククル湖は海抜1600メートルにあるが不思議なことに凍らない。よってイシククル、つまりキルギス語で「熱い湖」といわれるようになった。周辺の山から118の川が流れているようだが、流れ出る川はない。透明度はバイカル湖に次いで2番目。20メートルまで見ることができる。湖底にあるといわれている古城や集落は残念ながら見えなかった。
とても満足した。もう帰ってもいいと思うぐらい。その後車窓から見える景色を見ながらビシュケクに向かう。ビシュケクまでも結構遠くて途中ボームという山間部の街で昼食。ここでもラグマンを注文してしまう。15時ぐらいにトクモクという街についた。ここはガイドさんの弟さんがテキスタイルの工場をやっているというので寄ってみることにした。とても大きな工場で、テキスタイルの質もかなりいい。おやつもいただき工場をあとにする。トクモクは中国系の工場も多いらしく、最近かなり進出しているようだ。
そのあとブラナの塔とバラサグン遺跡に行く。ビシュケクから東に60キロメートル地点にあり、11世紀初めに造られた塔である。以前は45メートルあったが15世紀ごろの地震で崩壊しいまは24メートル。1974年に修復され、外はレンガ模様で美しくなっている。微妙に傾ている。この塔は登れるが、この階段が急である。両手をついて上らないとかなりきつい。上に上ると平坦な展望台となっており、シルクロードの偲ぶことができる。昔はここを通って東洋と西洋の文化が交じり合ったのであろう。しばらく塔のうえで景色と心地よい風を楽しむ。塔の周辺には博物館のほか、各地から運んできた石人で楽しめる。石にユニークな顔が描かれているが、その顔がなかなか楽しい。世界遺産のようであるが、野原にそのまま放置しているのが気になるところだ。確かに石人の像は盗まれることもあるようだ。
キルギスの歴史を堪能したところで、もうひとつガイドブックに載っていたアク・ベシム遺跡に行きたいとガイドさんに告げる。ツアーの場合、めんどくさいのが、ガイドさんがいちいち会社に連絡して、このようなリクエストが受け入れられるかどうかの承認が必要ということだ。幸いこの遺跡はこのツアーのなかで行けることになった。ブラナの塔から6Kmほどなのですぐにつくと思いきやすごい悪路である。塔もかすかに見えるところに遺跡がある。この遺跡は唐の城跡である。629年に出発した三蔵法師がイシククル湖岸を通ってここで突厥の王に会ったと「大唐西遊記」に書かれているようだ。城跡や城壁がほとんど残っているのがすごい。当時の繁栄ぶりを想像するのはおもしろい。驚いたことに日本の大学の研究団がここに来ていた。ドローンを飛ばしながら何か測定している。しばらくいると、研究の邪魔だからと向こうに行ってくれと言われる。国費で研究しているくせに、しかも独占できているわけでないくせに、なんとなく嫌な感じだ。とはいえ、栄枯盛衰を感じる遺跡であった。
もうかなり歴史に満腹。大満足してビシュケクの街に向かう。19:30頃に到着したが、まだほのかに明るい。なかなかの都会である。お土産などを買いたくてデパートに行ってもらう。が、もう閉店時間。JICAの一村一品で作った店もあったが閉店していた。空いていた店でお土産を購入。そして、そのまま夕食へ。「FRUNZE」というレストランに連れて行ってもらった。FRUNZEとはビシュケクの昔の名前らしい。かなりの高級レストランで中に入るのは気が引けたので、外のテーブルで食べることにした。ここでも最後にラグマンを注文する。肉入りスープも定番になった。そして最後に串にさしたビーフ。とてもうまい。さすが高級レストランである。ここでも大満足。ホテルはPLAZA。移動ばかりで疲れたこともあり、ガイドさんにお願いしてマッサージに来てもらうことにした。1時間ほどやってもらって2500スム。4300円ほどか。とても気持ち良く、よく寝れた。0:40に就寝。
（左）イシククル湖クルーズ （中）イシククル湖からビシュケクへ向かう途中 （右）ブラナの塔
4～5日目 ビシュケク⇒アルマトイ⇒北京⇒KIX
最後の日は8時前に起きる。今日もいい天気である。ベランダからのビシュケクの景色はとてもいい。ホテルでバイキングの朝食であるが、美しい景色を見ながらでとてもおいしい。キルギスをとても好きになる。キルギスからみる山々もとても美しいのである。9時にホテルを出発してカザフスタンのアルマトイに帰る。今日の夜の便で帰国する。今回は日程が短くて、かなりの強行軍であった。いつも思うが、もう少し滞在したいものである。ホテルをでて1時間もしないうちに国境に到着。こんなに国境が近いとは思わなかった。途中は川が国境になっていて。すぐそこがカザフスタンという場所もあった。今回は20分ほどで国境を通過できた。ほんとは国境でもう少しゆっくりしたかったが、警察がかなりいて、車をとめれないらしい。でも少しいくとガソリンスタンドによったので、その近くでアルマトイが描かれた看板を撮影するなど休憩した。
国境から3時間でアルマトイだ。途中、湧水がでるところで休憩したが、そこがまた美しい。水もとても美味しい。車からみるカザフスタンの山々の景色は最高である。その分、アルマトイがとても都会に見えて、ごみごみした汚いところにも見える。レストランはテラスがあったのでそっちにしたがとても気持ちが良い。ここでも肉だんごが入ったスープとラグマン。すべての店でラグマンを食べたが、それぞれ違う味でどこもおいしい。
その後、国立中央歴史博物館へ。カザフスタンの歴史がとてもよくわかる展示物である。撮影が不可なのが残念であったが、とても楽しむことができた。この博物館だけのためにガイドさんがアルマトイから来てくれた。これだからツアーはいい。そのあとに自由のモニュメントへ。独立したときに造られたもので市役所の前にある。壁面に書かれた歴史物語を見ていると中国の遺跡を思い出す。ここから見る山々もとても美しい。その後、バザールへ。バザールは盗難が多いから気を付けてと言われて緊張が走る。入ってみると果物やら産物やらが豊富においている。りんごを買ってくれたので食べる。そして28人の戦士が戦ったことを記念して作られた像の前へ。パンフィロフ戦士公園であるが、この像はなかなか見ごたえがある。迫力がすごい。国を守って命をささげた戦士たちの思いがよく表現されている。5月9日は勝利記念日のようで、美しいバラが置かれている。アルマトイはあまり観光地がないのか、だいだいの観光地は回った感じである。イシククル湖で会った日本人母娘にも、ここでも遭遇。同じコースを回っているので、どこかで会うことになるのだろう。
ほぼすべての行程を終えた。飛行機は22:30の出発でまだ時間がある。でもおなかは減っていないので、喫茶店にいくことにした。お菓子とコーヒーで時間をつぶす。カザフスタンとキルギスの素晴らしい景色を思い出しながら、コーヒーを堪能する。そしてアルマトイ空港へ。まだ19:20だったが、ガイドさんい別れをつげてしばらく空港周辺をぶらぶらする。航空会社のビルなどもある。空港周辺の山々が夕暮れで赤く染まっていて美しい。結局、外で21時までぶらぶらしていた。イミグレもすぐに通過できた。思い出を胸に北京に飛び立った。
北京には5時に到着。アルマトイの時間はまだ3時だからとても眠い。早朝の北京はすがすがしい。6時前にはイミグレを通過した。14:20がKIX行の飛行機なので、天安門広場かたく州に行ければと思っていた。北京についてみると、やっぱり劉備の故郷に行きたくなった。北京西駅までタクシーに乗ったが早朝なのでとても早い。6:35には到着。しかしこの駅とても巨大である。切符売り場と乗り場がよくわからず、しかも、切符がメイヨー。中国の洗礼を受ける。それでも8:23の新幹線に乗ると8:48にはたく州に到着した。一駅なのですぐだ。しかも昔いったときに比べたら格段に便利になっている。たく州は東駅であり、かなりの僻地に造られている。駅前にタクシーも止まっていない。帰りの切符を買った後、ようやく見つけたタクシーに乗って三義廟方面に行ってもらう。
劉備の墓に行きたかったのだが、運ちゃんがよくわからなかったみたいで、三義廟前でここだといわれる。違うと思いながらも、劉備墓はわからないというので仕方なく入る。昔いったときと変わっていない。廟の参拝はすぐに終わらせた。廟の前はまだ整備中で、未舗装である。時間がそろそろ危ないので、またたく州東駅に向かってもらう。駅に着いたのが10:30。10:56発の新幹線で北京に戻り、西駅には11:22に着いた。空港バスが11:30にあったので乗り込む。1時間30分で空港に到着。出発まで1時間20分しかないが、ANAなので問題ない。難なく通過して14時に搭乗。長かったようで短かった中央アジアとたく州の旅が終わった。中国にも行きたかったが、中央アジアで大満足である。たく州にも行くことができたし。18:20にKIXに到着し、イミグレ通過したのは18:30。入国はほんとに早い。さて、来年はどこに行こうか。
（左）ビシュケクのレストラン。FRUNZEとは以前のビシュケクの名前 （中）アルマトイから美しい山が見える （右）パンフィロフ戦士公園（28人の戦士）
～完～
