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ヨーロッパ6カ国ドライブの旅

【旅程】
2007年8月8日 伊丹⇒羽田⇒成田⇒フランクフルト・マイン空港(レンタカー)⇒ボッパルト(134.9km)
Best Western Bellevue Rheinhotel泊
8月9日 ボッパルト⇒ルクセンブルク (231.9km) Best Western Hotel International
8月10日 ルクセンブルク⇒Epinal⇒ローザンヌ(489.9km) Comfort Hotel Intereurope泊
8月11日 ローザンヌ⇒Brig⇒(列車)⇒Zermatt(162.3Km)  La Ginabelle
8月12日 ツエルマット(Zermatt)観光  La Ginabelle
8月13日 Zermatt⇒(氷河特急)⇒Brig⇒Furka Pass⇒リヒテンシュタイン⇒Feldkirch (267.6Km)
Best Western Hotel Hoher Freschen
8月14日 Feldkirch⇒リヒテンシュタイン⇒インスブルック⇒ガーミッシュ (359.5Km)   Best Western 
Hotel Obermuehle
8月15日 ガーミッシュ⇒フュッセン⇒ローテンブルク (321.4Km) REICHS-KUECHENMEISTER
8月16日 ローテンブルク⇒フランクフルト・マイン空港(190.6Km) ⇒
8月17日 成田⇒羽田⇒関空        総走行距離 2,158.1Km
写真はスイス・ツェルマットからのマッターホルン


【ガス代】
車はボルボのディーゼル車だった。日本ではディーゼルは大気汚染の原因と思われているが、ヨーロッパではガソリン車よりもディーゼルのほうが街の空気は汚れるが、オゾン層の破壊はないと言われているようで、最近急速にディーゼル車が普及しているとのこと。そんな状況もあってか、ディーゼルなのでガス代も安いかと思っていたがそうでもなかった。

@ルクセンブルク 37.5L 34.58ユーロ(0.922ユーロ/L)
Aフランス・Valdahon 35.2L 38.02ユーロ(1.080ユーロ/L) 
Bリヒテンシュタイン 49.03L 85.30SFR(1.740SFR/L) 
Cガーミッシュ 34.54L 39.69ユーロ(1.149ユーロ/L) 
Dフランクフルト空港 55.07L 63.28ユーロ(1.149ユーロ/L) 

合計175.57ユーロ、85.30SFRで、合計38,323円(211.34L)(日本円は、1ユーロ=166.83円、1SFR=103.56円で換算)
また、1L=181.3円という驚異的なガソリン価格!


【旅行記】
今回は(も)アメリカのグランドサークルに行きたかった。でも行けるのがお盆の間だったので、Airチケットがまったく取れない状況。アメリカ行きをリクエストしつつ、ドイツ便も同時にリクエスト。すると、ユーロ高もあったためか、ドイツ便にキャンセルが相次ぎ、家族4名とも無料航空券がとれた。ならドイツにしようか、ということでドイツ行き決定!とはいってもほとんどはじめてのヨーロッパの地だ。どこがいいかもよくわからない。そこで、ドイツの周辺国をできるだけ回っていろんなところを見るように計画をたてた。


8月8日
お盆前ということもあり、伊丹⇒成田行きもとれない状況。よって伊丹⇒羽田にとび、その後成田に移動してフランクフルトに飛び立つという日程だ。しかも、伊丹発が7:15と始発の飛行機だ。眠い目をこすりながら伊丹空港に向かう。出張でよく乗る便であるが、今日はリラックスして乗れる。周りを見るとビジネスマンも多い。申し訳ないと思いながらも、心はドイツ!成田に着いたのが10時過ぎだ。11時過ぎに搭乗し、12時に離陸。そういえばヨーロッパには今まで2回しか行ってない。どちらも出張だったので、遊びでは始めてだ。アメリカなら気楽なのだが、ヨーロッパはどうも旅行しにくい感じがする。しかも子ども連れだし、何もトラブルがないことを祈る。ANAの機内では久しぶりに、ブロック崩しのゲームをやってハマった。

ドイツ時間で14時ごろ(日本との時差は7時間)、ようやくドイツの大地が見えてきた。ドイツといっても広い。フランクフルトは南のほうだから、しばらく飛んでいたが16時に着陸。ヨーロッパはさすがにタバコにはあまりうるさくなくって、イミグレとおって荷物を受け取る場所に喫煙コーナーがあった。しかも、壁で囲いなどされておらず、荷物置き場のすぐ横にあった。空港で地図を買ったりぶらぶらしていたら、だいぶ遅くなった。ようやく17:40にレンタカーを借りることができた。いざ出発!と思ったら、チャイルドシートがないことに気付く。ハーツのカウンターで受け取らなければならなかったようだ。再び空港に帰りチャイルドシートを受け取り18時過ぎに出発だ。ドイツの道を走っていて一番びっくりするのが、タクシーにベンツを使っていることだ。それに感動しながら、ヨーロッパ初ドライブだ。残念ながらドイツは雨。初アウトバーンにびびりながらも、路面がぬれているので気をつけながら走る。しかし、さすが速度無制限のアウトバーン、ばんばん走っている。おそらく200Kmぐらいは出しているのではないか。

(距離は全てフランクフルトからの距離、時間は前の地点からの距離で実走時間)
フランクフルト・マインツ国際空港⇒ボッパルド(134.9Km、1時間30分)
今日の目的地はボッパルド(Boppard)という街。フランクフルトからライン川沿いに北西に向かう。川沿いを走れば気持ちいいだろう、と思っていたが、雨なので近くまでアウトバーンで行くことにする。ボッパルドの近くの街で少し休憩してみたが、真夏だというのに寒い。雨が降っているせいもあるだろが、かなり寒い。車の温度計は15度だ。日本の気温の半分以下。休憩もそこそこに切り上げ、ボッパルドに向かう。ボッパルドは小さな街で、ホテルもすぐに見つかった。すぐ前がライン川でめちゃくちゃいいロケーションだ。しかしヨーロッパのホテルは駐車場がない。仕方ないので荷物だけおろして、近くの公共駐車場に車をとめる。駐車料金は1晩止めて2.5ユーロなので、それほど高くはない。駐車券の自動販売機で操作の仕方がわからずにいると、近くを通った女の子が親切に教えてくれた。また、車を置くときも、こうやって置くんだ、とおっちゃんも教えてくれる。なんてドイツの人はやさしいんだろうか。それと、ヨーロッパの夏はありがたい。21時にようやく暗くなるぐらいだ。1日を有効に使うことができる。その夜は子ども達も就寝してしまったので、23時頃に就寝。
 
(左)フランクフルト空港のタクシー乗り場。ベンツがずらっと並ぶのは圧巻。 (右)ライン川沿いのホテルのベランダ。晴れていたら気持ちいいだろうに。


8月9日
(距離は全てフランクフルトからの距離、時間は前の地点からの距離で実走時間)
ボッパルド(134.9Km) ⇒ コブレンツ(168.9Km、30分) ⇒ Eltz城(200Km、25分) ⇒ ルクセンブルク(366.8Km、2時間45分)
子ども達は昨日の夕方から寝ているので、夜中から目が覚めていた。時計を見るとなんと4:30だ。しばらくぼっーとしながら一緒に遊んでいたが、たまらず寝る。次におきると7時だ。眠いけどおきた。旅行時の子ども達の楽しみはホテルのプールだ。ベストウェスティンなので当然ながらプールはある。子ども達にもちょうどいい大きさのプールだ。しかもほとんど人が来なかったので貸し切り状態。思う存分泳いだ。とはいっても1時間もプールに入ればかなり疲れる。まだまだ泳ぎたい子ども達をなだめて朝食を食べに行く。ヨーロッパのホテルは、ちょっと豪華な朝食がついているのが嬉しいところだ。ライン川をみながら、ウィンナーや卵料理を食べるのは格別だった。この日はそれほど移動もないので、朝もゆっくり。11時ぎりぎりにチェックアウトして、ボッパルドの街を散策。雨が降っているので、傘を差しながらであったが、ヨーロッパ的な街並みを堪能する。

ボッパルドに泊まったのには理由があった。ここはライン川の蛇行がみれる場所なのだ。街を散策した後、蛇行が見れる山へ行くことにした。雨だからかリフトは止まっていたので、車で山道を上がっていく。かなり細い道だったが、頂上に行くとレストランがあった。そこのテラスから蛇行が見事に見える。面白いことに、両岸に道路と鉄道がそれぞれ走っていることだ。道路ならわかるが、鉄道まで両岸にひかなければならない理由はあるのだろうか?そういえばライン川沿いには橋を見なかったので、景観保全を図っているのかもしれない。また、レストランの横には小さな公園もあって1人だけできるトランポリンもあった。子どもはそれをやって十分満足している。あまりにも楽しそうなので、やってみることにしたが、意外に面白い。親子で順番にトランポリンを興じる。

 
(左)ボッパルドの蛇行が見える丘から。 (右)両岸にはぶどう畑が広がる。

そこからぶどう畑を見ながらライン川沿いを走りコブレンツまで行く。コブレンツはライン川とモーゼル川の合流地点に栄えた街だが、モーゼル川沿いに進路を西へ変える。ここでライン川ともお別れだ。ライン川はどんなに綺麗な川なんだろうと想像を膨らませていたものの、天気も悪かったせいか、景色としてはあまり印象に残っていない。川をひっきりなしに往来する貨物船や、川沿いに鉄道がそれほど時間をおかずにゴーっという音とともに走ることだけが印象に残っている。生活するために必要な川だという感じを受けた。

モーゼル川沿いにも城がいくつかある。そんな景色を見ていると、どこかの城に行きたくなってきて、地図で一番大きそうなEltz城に行ってみることにした。幹線道路から小さい道に入り、急斜面をあがっていくと城に近づいてきた。近づくにつれて、なんとなく近寄りがたい雰囲気になってくる。そして門が見えると、城に住んでいると思われるおっちゃんが、門のところで携帯電話で話しながら仁王立ちになっている。明らかに入ってくるな、という意思表示だ。こりゃまずいな、と思い、Uターンだけでもさせて、って言っても帰れ、だけのジャスチャー。仕方なく、車1台しか通れない道を、バックで100mぐらい引き返すことになった。後で気付いたが、今でも住居として使っている城があるとのことなので、ここもそうだったのだろう。観光気分で行った自分に反省だ。おっちゃんに申し訳ない気分で、そこを後にした。

そうとなれば、雨が降ってるし、もう見るべきところもない。すぐに高速に乗ってルクセンブルクに向かう。コブレンツから200Kmある。ドイツからルクセンブルクに突入するときは、検問があるかと思ったが、ユーロ統合のおかげか、検問所らしきところはあったが、まったくのスルーだ。検問でルクセンブルクのハンコがもらえるかと思ったが、残念ながらなし。また、ルクセンブルクは小国なので、都市1つぐらいだろうと思っていたが、これまた想像と違う。しばらくは山が続く。こんなに大きな国なのか?と思いながら中心部らしきところのICで降りるが、迷う。駅前のホテルなのですぐにわかると思ったが、甘かった。街中を入っていると思ったら、すぐに田舎道になり、これはまずいと思い、ガソリンスタンドでガスを入れるついでに地図を買い、スタンドのおねえさんに道を聞く。ようやく方向がわかり、なんとか駅前のホテルに到着だ。

駅前だけあってさすがにごちゃごちゃしている。駐車場もなさそうだったので、どこか?って聞くと、少し離れたところにあるようだ。チェックインして荷物を降ろして、車を置きに行く。公営駐車場の一角をホテルが借りているようだ。やっぱりホテルは郊外型にすればよかった。まだ雨が降っていたが、駅のほうに17時30分ごろから散歩にいく。出勤帰りのサラリーマンが足早に歩いていく。なんとなく場違いだな、と思いながらも、駅前を散策。おなかも減ってきたが、レストランを探す余裕も無く、クイックというハンバーガーチェーン店に行った。ヨーロッパではかなりのチェーン店があるようだが、クイックは知らなかった。味はお世辞にもおいしいとはいえなかった。駅前でもあるため、なんとなくいぶかしい感じもするので、19時にホテルに撤収。ホテルのエレベーターも、部屋の鍵を入れないと動かないやつだ。安心するものの、そういう場所なんだ、と思ってちょっと嫌な感じもする。外は大雨になってきたし、21:30と早めに就寝だ。
 
(左)ドイツからルクセンブルクへ入るゲート。スルーだった。 (右)ルクセンブルクの駅前通り。正面に見えるのがルクセンブルク駅。


8月10日
(距離は全てフランクフルトからの距離、時間は前の地点からの距離で実走時間)
ルクセンブルク(366.8Km) ⇒ ナンシー(510Km、1時間30分) ⇒ Epinal(566.5Km、30分) ⇒ Villersexel(680.1Km、1時間45分) ⇒ スイス国境(793.2Km、2時間25分) ⇒ Cully(856.7Km、1時間)

今日も雨。これだけ雨が続くとさすがに嫌になる。しかも、夜中はかなりの豪雨であった。昨夜は早くに寝たので6時に起床。7時過ぎから1階の駅が見えるホテルのレストランで朝食だ。ここもかなり豪華な朝食だ。思わず沢山取ってしまう。窓の外を見ると、傘を差しながら出勤しているサラリーマンが見える。レストランには旅行中の日本人女性2名がいた。昨夜、ヨーロッパに到着したそうで、とりあえずルクセンブルクのホテルを予約していたそうだ。これだけ寒いと思っていなかったようで、長袖をどこかで買わなければといっている。確かに寒い。

今日はかなりの長距離ドライブだ。ルクセンブルクからフランスに入り、フランスの東側を縦断した後、スイスのローザンヌまで抜ける。でもせっかく来たのでルクセンブルクの中心部を散策することにした。幸い雨もあがり、少しだけ陽が差してきた。この旅初の太陽かもしれない。ルクセンブルクの旧市街は駅からは少し離れたところにある。ホテルをチェックアウトした後、9:30ころに旧市街地に到着。城壁があるが、その周りは深い谷に囲まれている。まさに自然の要塞だ。谷の下を見ると、教会やかわいい家が並んでいる。ヨーロッパの街という感じだ。駅前の物騒とした雰囲気とは違って、観光客も多く、とても綺麗な旧市街。駅前しか行かなければ、ルクセンブルクの印象も悪かったが、ここに来るとかなり印象がかわった。旧市街地を散策したり、ビレロイ・ボッホ(英語版:Villeroy Boch)でコップを買ったりする。大満足して、さー出発、と思い車に帰ってみると、変な張り紙がある。「ん!駐車禁止マーク!」罰金49ユーロを払いなさい、と書いているが、どこに行けばいいのか書いてない。気にせず出発することにした。
 
(左)ルクセンブルクの城壁の上から下を見下ろす。左手の大きな建物がサン・ジャン教会 (右)ルクセンブルクの街並み。歩いていて気持ちいい。

ルクセンブルクを出発したのが11時過ぎ。途中、フランスに突入し、ナンシーという都会を通るが、雨がひどくなってきて素通り。その南側のErinalという街で休憩だ。本場のカルフールがあったので、そこで買い物したり、朝作っていたおにぎり食べたりして過ごす。しかし、フランス人はなんとなく冷たい感じを受けるのは気のせいか!?せっかくなので、フランスの街ってどんなんだろうと思い、Erinalの中にあるJeuxeyという地区によってみた。花壇があったり教会があったり、こじんまりしているが綺麗な街だ。日本人が入ったのは初めてではないか、と思われるぐらいの街だった。その時点で14時過ぎ。急がねばスイスに行く頃には日が暮れる。
 
(左)フランスの高速も走りやすい。ルクセンブルクからフランスに入ったところ。ここもノーチェック。 (右)スイス国境付近。フランス南部はのどかだ。

そこから小さな街を通りつつ、道に迷いつつフランス南部を抜けていく。雨が多かったせいか、川が増水して浸水している街もあった。スイスが近づいているので、だんだんと山深くなってきて、そして18:30ごろ、スイス国境を通過。さすがにスイスに入るときは検問があった。パスポートを見せるだけで、特に何も無く、スタンプも押してもらえなかった。そこから高速をとばし、ローザンヌへ向かう。レマン湖に向かっていくドライブはなかなかのものだった。ローザンヌを東に抜けたところに、Cullyという小さな街がある。そこのホテルを予約している。

ホテルはレマン湖沿いなのでさぞかし景色がいいのだろうと期待していくが、なかなかホテルが見つからない。おかしい、こんなに小さな街なのに見つからないはずがない、と思うがやっぱりわからない。通りがかりのおばちゃんに聞いてみるが、フランス語なのでまったく意味がわからない。ジェスチャーで意思疎通をはかろうとするが、おばちゃんに「わかってないわね・・・」と明るく言われる。仕方なく英語のできるホテルに行って聞いてみると、「めっちゃ簡単、幹線道路を東に行けばすぐにあるよ」といわれた。幹線道路に行ってみると、街の外れにあった。見つけたときは感動モンだが、1時間近く、こんな小さな街でさまよっていたことになる。どっと疲れた。その夜は日本から持ってきた麺類を夕食にして、風呂も入らずに22時に就寝。疲れきっていたのだろう。しかし、ヨーロッパではよく道に迷うのは何故だろうか!?
 
(左)フランスとスイスの国境。ここは検問があった。パスポートを見せたら終わりだったが。 (右)レマン湖の夕暮れ。Cullyの街で。


8月11日
(距離は全てフランクフルトからの距離、時間は前の地点からの距離で実走時間)
Cully(856.7Km) ⇒ Vavay(880.5Km、15分) ⇒ シオン城(893.7Km、25分) ⇒ Brig(1,019Km、2時間)

おきたら6時だ。今日こそは晴れか?と思ってベランダに行くが曇天だ。今日はスイス南部のツェルマットに行ってマッターホルンを見る日なので、今日と明日だけでも晴れて欲しいと願う。ホテルはコンフォートインだが、ここも1階にレストランがあり、朝食サービスがある。でも、あまり豪華ではなく残念。10時過ぎにホテルを出発する。朝の雲がとれて、ようやく晴れてきた。ホテルの周りを見ると、レマン湖がすぐそばにあるが、山側もかなり高い山がある。しかも、家が建っているので、そのあたりまでいけそうだったので、山の上まで行ってみることにした。細い急な道を上がっていくが、だんだんとレマン湖が綺麗に見えてくる。展望台のようなものはなかったが、道沿いからも綺麗にレマン湖が見えて最高の景色だった。この旅で初めての晴れの綺麗な景色を見た。しかも、晴れてしまえば暑くなってくる。昨日まで寒がっていたのが嘘のようだ。
 
(左)山の上から見たレマン湖。高速道路も見える。 (右)山の中腹からの景色。ぶどう畑が綺麗だ。

山の上に行けば次は湖のほとりに行きたくなる。山から降りて湖畔に行くことにした。降りる途中も湖が綺麗に見える場所が何箇所かある。思わず車から下りて写真をとる。そのとき子どもが車道を歩いていると、付近のおばちゃんが注意してくれた。子どもはちゃんと見なきゃダメよ、ってなことを言っている。フランス語なのでよくわからなかったが、このあたりの人たちの暖かさを感じた。Cullyのレマン湖畔は芝生などが整備されていて綺麗だ。遊覧船の船着場もある。そこでしばしボーっとすると気持ちいい。Cullyの街を堪能した後、レマン湖畔沿いの道路を走る。
 
Cullyの街のレマン湖のほとり。整備されていて気持ちいい。

次はVaveyという街がある。そこそこ大きな街だ。長ズボンを1着持ってきていたが、今朝無くなったのに気付いたので、そこにある店でズボンを買う。よくわからないブランドだったが、149SFR(約15,000円)と高い。思わぬ出費だ。しかし、Vaveyも美しい街だ。多くの観光客が来ていて、街がごったがえしている。レマン湖畔も整備されており、日光浴を楽しむ人たちが大勢いる。この街で泊まってもよかったかもしれない。Vaveyを出て30分ほど走ると、今度はション城がレマン湖畔にあった。レマン湖に突き出ている部分に建設している城だが、湖の上に建っているように見える。またまた城の近くに車をとめ、湖畔で休憩だ。すぐそこに電車も走っていて、電車と城と湖がマッチしていて気持ちいい。しかし、なかなかツェルマットにいけない。

シヨン城を出発したのが13:30過ぎ。そこからしばらく走るとついにレマン湖とはお別れだ。本当に綺麗な湖だった。高速に乗りBrigに向かう。高速の両側には美しい山が連なり、気持ちのいい道だ。1時間30分ほど走ると、Brigに到着。電車の時間までまだあったので、マックで休憩。マックからの眺めも美しい。Brigに車を置いていかなければならない。駅前に駐車場があったが2時間までしか止めれないものばかりだった。地図で探してみると、市内に2箇所あった。駅から離れていたので、一度、駅に家族と荷物を降ろし、駐車場に止める。車とは2日間のお別れだ。Brigの街を歩いて駅まで行くが、山と街並みがマッチしていて美しい街だ。ここで滞在するのもいいものだと思った。
 
(左)レマン湖に浮かぶように建っているシヨン城。 (右)Brigへ向かう道。周りの景色が美しすぎる。

そしていよいよ17:10に電車が出発。この旅のハイライトであるツェルマットに向かう。しかし、電車の中は日本人だらけ。今まで日本人にあったのは1回しかないのに、ここではうようよいる。ツェルマットは日本人にも人気なのだろう。ごとごとと電車は山を上がっていくが、途中、谷あり山ありのかなり険しいルートだ。景色を見ていると時間を経つのを忘れるぐらいだ。ツェルマットのひとつ手前の駅まではガソリン車が入れるので、駅前はかなりの数の車が止まっている。ここまで車で来て、電車に乗り換えてもよかったな、と思う。そして、Brigを出発して、1時間35分、ようやくツェルマットに到着だ。19時前なので少し薄暗いが、山間の街という感じだ。とりあえずホテルに向かう。ホテルに向かう途中、マッターホルンが見えてきた。あれがマッターホルンか!と感動の瞬間。ホテルはラ・ジナベルでこじんまりしたホテル。でも豪華だ。

ホテルは1部屋しか予約してなかったが、家族4人だからほんとは2部屋必要だ、とフロントで言われる。まずいな〜、と思っていたらフロントのお姉さんはとても親切で、部屋を探してくれて大きな部屋にかえてくれた。エキストラベッドを入れるので、追加料金が1晩80SFRかかったが、仕方ない。でも、部屋に案内されると、そこは最高の部屋だった。このホテルでも最もマッターホルンが見れる部屋ではないか、と思う部屋だ。ベランダの正面がマッターホルン。しかも角部屋なので、日当たりもいい。夕焼けのマッターホルンが美しい。その後、街にでて夕食をとりにいくが、しかしまー日本人の多いこと。街を歩いている人の半分ぐらいは日本人ではないか。ここはスイスと思えないぐらいだった。それを尻目に、イタリアンパスタの店で夕食をすます。さー、明日が楽しみだ。
 
(左)ツェルマットに向かう途中のおそらくドームという山。4545mある。 (右)夕陽に燃えるマッターホルン。雲がかかっていて燃えて煙がでているようだ。


8月12日
マッターホルンの朝焼けを見ようと5:30に起床。しかし、まだ早かった。かなり暗い。でも朝焼けはほんの一瞬だ、と思い、ホテルのベランダでカメラとビデオもってスタンバイ。ところどころで写真をとるが、まだまだ暗い。しかもかなり寒い。朝焼けを見るために、多くの人が外を歩いているが、コートを着ている人もいる。だんだんと明るくなってくるが、マッターホルンはまだまだ暗い。1時間ほどたったころ、子ども達も起きてきた。そしてだんだんと明るくなってきて、ついに赤くなってきた。結局、6:40からの10分間ぐらいが綺麗だった。それならもっとゆっくり寝ればよかった・・・。

気を取り直して朝食へ。昨夜はあまり思わなかったが、このホテル、なかなか豪華だ。おそらく由緒もあるのだろう。レストランへ向かうロビーの雰囲気やら、レストランのゴージャスな雰囲気は、思わず背筋が伸びる感じだ。朝食もなかなかの美味しさで、大満足。朝食がおいしいと、1日気分がよくなる。そして、10:30にようやくホテルを出発だ。今日はツェルマット近辺の山歩きを楽しむ。しかし、今日はすばらしい快晴。雲ひとつない。マッターホルンが見事に見える。素晴らしい!
 
(左)朝陽に映えるマッターホルン。美しい! (右)陽がのぼると真っ白になる。これもまた美しい!こんな景色をベランダから見るなんて贅沢だ!

まずは世界で一番高いところを走るという鉄道のGGB(Gornergtat Monte Rosa-Bahnen)に乗る。ツェルマットから一番上のゴルナートグラートに向かう。大人36SFR、子ども18SFRなので、家族4人で90SFR(約9千円)、かなり高い(幼稚園児未満はタダだった)。11時過ぎにツェルマットを出発すると、どんどん上がっていく。ケーブルカーのような勾配で上がる箇所もある。さすがに普通の鉄道では上に行けないようで、軌道の真ん中にはギザギザになった歯車がついている。上がるにつれて、マッターホルンの形が変わっていくのが面白い。ツェルマットでは横幅のあるマッターホルンだが、だんだんと鋭角的になってくる。30分ほど走ると雪景色が広がってくる。上の方の駅近くにもホテルがあった。このあたりに泊まっても綺麗だろうな、と思う。そして出発して40分でようやくゴルナートグラートに到着。あたりは一面真っ白だ。

電車を降りるとモンテ・ローザという4634mのマッターホルン(4478m)より高い山が目に入る。山の形が丸っこいので山というより丘という感じだが、そこから降りているグレンツ氷河の豪快さに圧倒される。カナダでも氷河を見たが、これほどまでに川のようになっている氷河ではなかった。美しい氷河と言ってもいい。そして右を見ればマッターホルンだが、だんだんと雲がかかってきた。全体像までは見えなかったが、半分ぐらいは見えている。いずれ雲もとれるだろうと思って、そこから下りの山歩きを楽しむ。ごつごつした石と、ところどころに雪があるので、歩きにくいが、とにかく素晴らしい景色だ。適当なところで腰をおろし、お昼ごはんのおにぎりを食べる。なんて幸せな瞬間か。マッターホルンを見ながらのピクニックだ。夏の旅行では、欠かせない散歩だ。
 
(左)ゴルナーグラートから見るグレンツ氷河。真っ白でまぶしい。 (右)鋭角的なマッターホルンだが、雲がかかってきて残念。

その場で1時間ぐらいいただろうか、そろそろ寒くなってきたので、下りる。1駅分下りると、逆さマッターホルンが見える湖がある。気候の条件が揃えば、湖に綺麗に写るマッターホルンが見える場所だ。しかし、風もあるし、雲がかかっているので、これまた半分ぐらいの逆さマッターホルンだった。そしてさらに1駅下りることにした。標高差がかなりあるものの、くだりなのでそれほど苦にならない。途中、一番ふもとのツェルマットまで見れる場所があるが、このままずーっと下りていけそうに思える。だが結局上から2駅目のリッフェルベルクから電車に乗ることにした。帰りも美しい景色であったが、疲れがあったのか、爆睡だ。リフトにも乗りたかったので、ツェルマットの1つ手前のフェンデルバッハで降りた。駅のすぐそばに滝がある。山の中の駅という感じ。山の合間の小道を下りていくと、リフト乗り場がある。
 
(左)リッフェルベルクに向かう途中。気持ちのいいハイキングだ。 (右)右の奥に見えるのがツェルマットの街。

リフトに乗って違う角度のマッターホルンを見ようと思った。夕方になったし一番近くのポイントぐらいまで行こうかと思い、チケット売り場に行くと、もう16時前なので、フーリという場所までしか売ってくれないとのこと。子どもが乗りたがっているので、仕方なくフーリまでにした。乗るとかなりの高速リフトだ。めちゃくちゃ早い。しかも景色がよく気持ちいい。乗ってよかったと思った。フーリまですぐに到着だ。しかし、残念ながらフーリはかなりふもとのリフトの拠点。マッターホルンが山に隠れて見えない。残念だが仕方ない。そこから3方にリフトがあるが、どれもすごい角度で上っていっている。あんなに高いところまで、一瞬で上れることもすごい。非常に開発された観光地である。しばらくフーリでいたが、これといってやることもないので、引き返す。17時にふもとに到着し、そこからホテルにぶらぶら帰る。ツェルマットの街歩きもなかなか綺麗で気持ちいい。ただ、店によったりする気力もなく、ホテルに直行だ。ホテルから夕陽のマッターホルンを楽しもうと思ったが、雲が多くなってきたので、残念ながら赤くはならなかった。そのかわりに、マッターホルンの上にある雲が赤かった。それはそれで綺麗である。ツェルマットを堪能できた1日であった。
 
(左)フーリまでのロープウェイ。ここまででも十分綺麗だ。 (右)フーリからさらにトロッケナーシュテークに行くロープーウェイ。一気に1000m上る。


8月13日
昨日の反省を踏まえ6:30に起床。しかし残念ながら雲が多く、朝焼けのマッターホルンは見えなかった。雲ひとつなく鮮やかに見えた昨日はよっぽどラッキーだったのだろう。7:30から朝食をとり、9時過ぎにホテルを出発。かなり晴れてはいるが、マッターホルンには少しだけ雲がかかっている。この山はずっと雲がかかっているんだろう。昨日の朝だけはまったくの快晴であった。9:48発の氷河特急を予約している。スイスに来ればこの特急に乗らなければ、と思い日本で予約していた。しかし、かなり高い。短い区間は購入できないので、ツェルマットからBrigは売ってくれなかった。よって、Brigの向こう側にあるアンデルマット(Andermatt)までの券を買ったこともあり、めちゃくちゃ高い。せっかくなので一等をとったこともあり、大人14,800円、小人9,700円だ。スイスを横断しているこの特急、ツェルマットからスイスの東の端まで、長い区間
を走る。その間、山あり谷ありでなかなかのもののようだ。ただ、景色を見やすいようにほとんど全面ガラス張りにしている。よって、日光がまともにあたりめちゃくちゃまぶしい。サングラスをかけながら、外の景色を楽しんだ。ただ、ルートは行くときに乗った電車と同じルートなので、景色は一緒だ。1時間20分でBrigに到着。
 
(左)ツェルマットの駅前。落ち着いた山間の町という感じ。スキー客が多い冬がハイシーズンのようだ。 (右)Brigを出発してしばらくすると氷河特急に追い抜かれた。おそらく、乗ってきた電車だと思われる。


(距離は全てフランクフルトからの距離、時間は前の地点からの距離で実走時間)
Brig(1,019.0Km) ⇒ フルカ峠(Furka Pass:1,077.6Km、1時間10分) ⇒ アンデルマット(1,101.9Km、55分) ⇒ リヒテンシュタイン・ファドウーツ(1,262.0Km、2時間30分) ⇒ オーストリア・フェルトキルヒ(Feldkirch:1,286.6Km、50分)

Brigを出発すると東に進みリヒテンシュタインを通ってオーストリアに行くルートが予定だ。ルートが2通りあるが道を見ながら考えることにした。とりあえずアンデルマットを目指す。地図で見る限りかなり険しそうな道になっている。しばらくは牧歌的な風景が続くが、次第に山が険しくなってくる。そして、グリムゼル峠が近くなってくるとくねくね道になってきた。グリムゼル峠が見えてくると、99折りといわれる道が見えてくる。何回も折り返し上に上っていく峠だ。幸いそっちは通らない。そしてフルカ峠へ向かう。このあたりはローヌ氷河があるが、かなり溶けているのがわかる。これも地球温暖化の影響か。雪解け水は氷河が溶けた水の色だ。しかし美しい。少し走っては車をとめて写真をとる。そのぐらい美しい。しかし、このあたりで子どもが車酔いを始めた。アンデルマットまで行くと、そこから高速があるので、高速でオーストリアを目指すことにした。ちなみに高速を走らなければ、一般道(おそらく山道)でクールに抜ける道がある。
 
(左)道から見えるグリムゼル峠の99折りの道。すさまじい! (右)フルカ峠近くからの展望。奥に見えるのがグリムゼル峠。

アンデルマットも山間のこじんまりした美しい町だ。ここで氷河特急の絵葉書を買って北上する。高速に入ってしまえばあまり景色は楽しめない。しかもばんばんと飛ばしているため、それにあわせてスピードを出してしまう。ただ、スイスの取り締まりはかなり厳しいようなので、速度には気をつけて走った。途中、フィーアバルトシュテッテ湖の一部が見えるが、そこが美しいぐらいで、後はリヒテンシュタインを目指してひた走る。リヒテンシュタインはスイスとオーストリアの間にある小国だ。しかし、かなりの起伏がある国で、最高地点が2000mを越える。スイス側から川を渡るとそこはリヒテンシュタイン。ここも検問もなくまったくのスルー。最初に入ったのがBalzersという街だが、城がある。その城の下にいって写真をとる。そしてそこから北上して首都のファドウーツを目指す。
 
(左)フルカ峠の下り坂からアンデルマット方面を望む。 (右)フィーアバルトシュテッテ湖の一部。緑と湖がマッチして美しい。雨上がりだ。

リヒテンシュタインには高速がないため、一般道を走る。しかし、1本しか道がなく、しかも1車線のため渋滞がある。30分ほど走って
ファドゥーツに到着。ここも山の上に城がある。なかなか綺麗な街のようなので、少し車を降りることにした。しかし、すでに18時前で駐車場もなかったので、あきらめてオーストリアに向かう。ファドウーツからオーストリアまでも1本道だ。街を越えるとすいすい走れる。オーストリアとの国境には検問があった。ここもパスポートを見せるだけで質問もなかった。

今日の宿はフェルトキルヒという街にある。地方の中核都市という感じで市域は広そうだ。駅前にあるホテルなので、なんとか見つけることができた。しかし、この街はなんとなく暗い。歩いている人たちもなんとなく暗い感じがした。まー、気にせず夕食をとる店をさがす。車でしばらく走ると中華があったので、この旅初の中華を食べることにした。しかし、中華は世界のどこにでもあるのがすごい。店の中国系のおばちゃんもとっても気さくな方だったので、さっきまで暗いと思っていた印象がかわった。おなかが減っていたので多めに頼んでしまったが、少し後悔。かなりの量であった。それでもなんとか食べきる。満腹となって0時に就寝だ。
 
(左)リヒテンシュタインの一本道。Balzersの街あたり。 (右)Balzersという街の城。こじんまりした街でのどか。


8月14日
(距離は全てフランクフルトからの距離、時間は前の地点からの距離で実走時間)
オーストリア・フェルトキルヒ(Feldkirch:1,286.6Km) ⇒ ファドゥーツ(1,313.7Km、50分) ⇒ インスブルック(1,504.0Km、2時間30分) ⇒ ガーミッシュ(1,646.1Km、1時間10分)

オーストリアの西の端であるフェルトキルヒはどんな街だろう、と思い朝7:30から散歩してみる。ガイドブックにも載っていないようなところなので、特にこれといったものはない。ヨーロッパではよく見る光景の街で、道端に花壇があって綺麗な花が植えてあり、上を見ればお城がある。平日なので、難しい顔をしたオーストラリアの人たちが出勤している。曇っているせいもあるのか、どこか寂しく暗い街のようにも感じた。少年の写真をはり何か不気味なことを書いている看板もある(意味はわからなかったが)。1時間ぐらいブラブラしてホテルに戻り、朝食をとる。そして10:30に出発だ。

ガイドブックを見ていたら、リヒテンシュタインの街の中ははかなり綺麗そうだということと、訪問記念にパスポートにハンコをおしてくれるというので、再度行ってみることにした。昨日通った道を逆に走る。1本道で、昼間でもあり、かなり混んでいる。こんなに小さな国なのに、道の両側にはかなり高そうな山が連なっている。最高地点は2500mを越えるそうだ。さすがスイスとオーストリアにはさまれた国だ。それにしても牧歌的で美しい。

首都のファドゥーツに到着すると、多くの観光客がいる。コープのようなところがあったので、そこの駐車場に止めて、案内所に行く。ハンコを4人分おしてください、って言うと、押してくれたはいいものの4人で6ユーロもとられた。なんだ有料か!気を取り直して切手博物館へ。ここは切手が有名だ。中にはあまり人がいなかったが、綺麗な切手が沢山おいてある。昔、切手収集してたことを思い出す。当時収集した切手はどこに行ったのだろうか?価値が上がっていればいいが。切手博物館のあたりは、街が綺麗に整備されている。おしゃれな店も沢山ある。そして多くの人たちが、休暇を楽しんでいるようだった。小さな噴水があったので、そこで子どもたちが、現地の子たちとしばし遊ぶ。コープで買い物して、いざ出発。
 
(左)ファドゥーツに向かう道。街の向こうには高い山が見える。 (右)ファドゥーツの街並み。綺麗に整備されている。

リヒテンシュタインから一旦北上してオーストリアを東進するが、西側にスイスの高速があるので、川を渡り高速に乗り北上。そしてまたオーストリアの高速に乗り換える。ここからはチロル地方と呼ばれるところを通る。両側には美しい山々が連なっており、その合間を高速が走っている。途中、超長いトンネルがあったり、城や尖がった山など、運転していて飽きない区間だ。ファドゥーツを出発して、2時間30分ほどで、チロル地方の中心都市であるインスブルックに到着だ。ここはかなり大きな街で、車どおりが激しく、市電も走っている。到着したのが15時だが、少し遅い昼食をとる。デパートがあったので、その中にあった魚料理のファーストフード店に入る。海のないオーストリアで魚料理もどうかと思ったが、それがなかなかおいしい。このあたりではチェーン店になっているようだ。それを食べた後、歩いて街を散策しようと思ったが、あまりに暑いのでやめる。車でひととおりまわってドイツに向かった。時間があれば、インスブルックの街中からロープウェイがあって、上にいけばチロル地方をよく見渡せたようだが、今回はあきらめた。

そこから北上し、ドイツに入り、ガーミッシュというところに向かう。そこにホテルを予約しているのだ。どんなところか全くわからなかったが、一度、高い山を上り、その山の中にガーミッシュがあるようだ。近づくにつれて、家族でレジャーに向かっている車が増えてくる。ここはドイツでは避暑地なのか。ちなみにオーストリアからドイツへの入国は、どこが国境だったのかもわからないぐらいだった。昔はこのあたりからドイツ軍が侵攻したのでは、などと思いながら運転する。
 
(左)インスブルックの街並み。落ち着いた綺麗な街だ。 (右)インスブルックからドイツ国境に向かう山道。かなりの勾配。

ガーミッシュの街に入ると、ホテルがかなり並んでおり、まさに避暑地の様相だ。街もそこそこ大きい。このあたりはパラグライダーをする人もよく集まるようで、空を見ると確かにパラグライダーが多い。そして19時にホテルに到着。ちょうどいい時間だ。初日のボッパルドのホテルにはプールがあったが、それからのホテルはまったくなかった。しかし、このホテルはプールがあるようだ!子ども達は喜び勇んで、プールに向かう。日本から持ち込んだ食材で部屋で料理しているため、夕食ができるまでプールで遊ぶ。ボッパルドのプールはこじんまりして泳ぎやすかったが、ここのプールはかなり深くて、しかも何かでかい。子ども達はビビるものの、だんだん慣れてきた。1時間ほど泳いでから夕食だ。しかし、とってもいいところだ。部屋のベランダからの眺めも最高。日本ではほとんど知られていない場所で穴場かもしれない。ちなみに日本人はまったく会わなかった。
 
(左)ガーミッシュに到着寸前。山と緑が美しい。 (右)ホテルのベランダから。ガーミッシュには2962mのドイツ最高峰の山がある(どれかはわからなかった)。


8月15日
(距離は全てフランクフルトからの距離、時間は前の地点からの距離で実走時間)
ガーミッシュ(1,646.1Km) ⇒ ノイシュバンシュタイン城(1,713.6Km、1時間30分) ⇒ ローテンブルク(1,967.5Km、2時間30分)

8時起床。ベランダに行くととっても気持ちいい。山の景色をみながらタバコを一服。最高だ。旅もそろそろ終わり。いろんなところに行ったな〜と思い返す。このガーミッシュでもゆっくりとしたかったが、今日は時間がない。ここからフュッセンに行って、この旅のひとつの目的である、ノイシュバンシュタイン城に行った後、ローテンブルクまで行かなければならない。それでもガーミッシュの朝を堪能したくて、11時までホテルにいる。ホテルのそばには川が流れており、そこもとっても綺麗だ。

ガーミッシュからフュッセンは比較的近い。綺麗な景色を見ながら1時間30分で到着。予定よりだいぶ遅くなったが、13時にフュッセンからさらに行ったシュバンガウに到着。この街に着くと、すぐにノイシュバンシュタイン城が見えてくる。おー!あれがかの有名な城だ!と感動。しかも城の周りの雰囲気がとってものどか。綺麗だな、と思いながら城に近づいていくと、とても車が多くなってきた。そして駐車場に入るのにかなりの車が並んでいる。待ち時間を利用して家族がチケットを買いに行く。
 
(左)ガーミッシュのホテル近くの川。石投げして遊ぶ。  (右)シュバンガウのノイシュバンシュタイン城の近く。左手の山の中腹に城がある。

ようやく車をとめることができて、チケット売り場の家族のもとにいくとびっくり。今からチケットを買えば、入れるのが夜の18:20というではないか。でもここまで来て、この城に入らないわけにはいかない。仕方なく待つことにした。すると、もうひとつホーエンシュバンガウ城がある。そっちに先に入ることにした。それでも16:20が入城開始なので、レストランで食事をすることにした。おそらく入城待ちの人たちだろうと思われる人たちが、レストランにいるのでほぼ満員だ。日本人ツアー客もかなりの数が来ている。日本からのツアーも多いところだ。レストランでは、南ドイツの名物料理である、ビナーシュニッケル(Wiener Schnitzel)というカツレツを食べる。それがめちゃくちゃおいしい!ドイツにもこんなに美味しい料理があるんだ、と感動だ。
 
(左)レストラン近くからみるノイシュバンシュタイン城   (右)南ドイツ料理のビナーシュニッケル。めちゃうまい!

食事後、ホーエンシュバンガウ城まで歩いていく。思ったほど時間がかからなかったので、しばらく城の中で待つ。かなり暑かったので噴水近くで涼んでいた。そしてようやく城の中へ。10人ぐらいが1グループになって城の中を回っていく。入り口で電話機のようなものを借りて、それを耳にあてると日本語で城の案内が聞こえてくるというシステムだ。なかなか考えている。よく見ると周りの外国人もすべてその電話機を使っている。フランス語、スペイン語など、同じヨーロッパといっても言葉が違うのにはなんとなく違和感がある。ホーエンシュバンガウ城はこじんまりした城なので、見学も30分ほどで終わる。中はそれほど豪華という感じはしないが、昔の王が暮らしていた様子がよくわかっておもしろい。その城を出て、ノイシュバンシュタイン城へ行くバス乗り場へ。いよいよノイシュバンシュタイン城だ!
 
(左)こじんまりしたホーエンシュバンガウ城。 (右)ホーエンシュバンガウ城からの眺め。とっても美しい。このフォルッゲン湖でルートビヒ2世も遊んだようだ。

ふもとのバス乗り場からバスでどんどん山を上っていく。超満員だが幸いこどもたちと座ることができた。10分ほどで到着。そこから城までは歩いて5分程度だが、まずはマリエン橋に向かう。橋からの城の眺めは最高だ、ということで向かったが、この橋、かなり怖い。橋から川までかなり高いうえに、木を敷いて作っているがかなりしなっている。しかも多くの観光客がここに乗っているため落ちるのではないか、などと思ってしまう。そう思うと足がすくんできた。写真を撮って早々に引き返した。

そこから城に歩いていくにつれて、その巨大さに圧倒される。めちゃくちゃでかい城だ。日本でいえば、姫路城の大きさと美しさに圧倒される感じ。少し待って18:20にいよいよ中の見学だ。ここは人が多いため30名ぐらいが1グループになって回っていく。ホーエンシュバンガウ城と同じく、電話機のようなものを持って回る。中でも豪華絢爛だったのが、王座の広間だ。大理石の階段や金メッキの巨大シャンデリアなどがある。王座が置かれるはずだった場所には何もない。王の死によって中止になったようだ。その後、執務室、寝室などを回っていくが、巨大なため迷路のようだ。一通り回るまで1時間近くかかったのではないか。しかし、中は撮影禁止なのがつらい。せっかく行ったのだから写真ぐらい撮らしてくれよ、と思う。城からふもとまで馬車にのろうかと思ったが、時間が遅くて馬車はもうなく、歩いておりた。駐車場近くでホットドックを食べて腹ごしらえ。さて、今からローテンブルクまでの旅だ。
 
(左)マリエン橋から眺めるノイシュバンシュタイン城。足をすくませながら撮影。 (右)入り口付近。超巨大だ!首が痛くなる。

ノイシュバンシュタイン城を出たのが20時。そこからローテンブルクまでは250Kmもある。フュッセンをでてすぐにアウトバーンがあるのでそれに乗る。アウトバーンは速度無制限だ。最初は150Kmぐらいで走っていたが、それでも追い越し車線を走っているとパッシングされる。早い車は200Kmオーバーで走っているのだろう。だんだん慣れてくると160、170Kmとあげてみる。そして、ついに200Kmまで出すようになった。座っている家族は怖くて前を向いていない。結局200Kmオーバーを3回ほど記録した。でも、途中で橋の工事をやったり、1車線規制があったりして、突然80Km制限になったりするのが危ない。それと走る速度があまりにも違うので、やっぱり速度無制限って危ないと思った。ローテンブルクのホテルに着いたのが22:40。フロントも閉まりかけ。もう帰る間際のスタッフに車庫を案内してもらったりして、なんとかチェックイン。明日はいよいよ帰国だ。
 
(左)ノイシュバンシュタイン城からホーエンシュバンガウ城(右下)とアルプ湖を望む。 (右)城から降りる道からの眺め。いろんな角度で楽しめる城だ。


8月16日、17日
(距離は全てフランクフルトからの距離、時間は前の地点からの距離で実走時間)
ローテンブルク(1,967.5Km) ⇒ フランクフルト・マインツ空港(2,158.1Km、2時間)

6:30に起床。外は残念ながら小雨。それでもせっかくなのでローテンブルクの街を散策することにした。ローテンブルクは城壁に囲まれた小さな街だ。ホテルは聖ヤコブ教会の近くのライヒス・キュッヘンマイスター。そこから西にいき城壁まで行く。そして市役所のほうに向かうが、街並みは確かに美しい。石畳の道やその周りのかわいい家々。小雨でもこの街はマッチする。市役所の上に展望台があったので、そこに行きたかったが、残念ながら早朝はあいていない。今回はおあずけだ。

ホテルに帰り7:30から朝食だったが、日本人ツアー客がわんさかと入ってくる。早めにレストランに行っておいてよかった。めちゃくちゃ日本人が並んでいる。そして早々に準備をして8:10にチェックアウト。ここから200km離れているフランクフルトに行って飛行機に乗らなければならない。去年のように飛行機乗り遅れがないように、早めに出発だ。ホテルをでてから少しだけ写真とったりしたが、8:30にはローテンブルクの街をでた。この街にはゆっくりと滞在したかったのだが、泊まっただけになってしまった。まー、仕方ない。アウトバーンで一路、フランクフルトへ。
 
ローテンブルクの街並み。左の写真は市役所前からの撮影。市役所近辺の街並みが特に綺麗だと思った。

昨夜に引き続きアウトバーンだ!車どおりもそれほど多くなったのでとばす。でも朝でまだ眠たいため180Kmぐらいまででやめといた。ちょうど100Kmぐらいのところで、フランクフルトへ進路をかえるが、幹線道路らしく車どおりが多くなってきた。ここではさすがにとばせない。フランクフルト近くになってくると、反対車線が大渋滞だ。はちゃめちゃに壊れた車が先頭にある。大事故のようだ。やっぱり速度無制限のアウトバーンは危ないのだろうか。ベンツやBMWのような頑丈な車でもぐちゃぐちゃになっている。そうこうしているうちにフランクフルト空港に10:40に到着。1週間ぶりのフランクフルト空港で、懐かしさを感じた。今回の総走行距離は2158.1Km。意外に走っていない感じ。

車を返却してターミナルへ行くとそのままルフトハンザのカウンターへいける。一面、まっ黄色だ。しばらく待たされた後、家族4人が同じ場所になるようにお願いしていたが、ここでは無理なので、中のカウンターで言ってくれ、といわれる。出国手続きを行いゲート近くのラウンジに入る。そこで席変更のお願いするが、成田行きでは無理だとのこと。かわりに関西空港行きなら変更できるかもしれないので、搭乗ゲートのカウンターに言ってくれ、といわれる。しかし、荷物もすでに預けているのに、そんなことできるんかいな?とかなり疑問。カウンターに行ってみるとまだ人がおらず、しかも何人か待っている。そして女性がきてトロトロと窓口を開設する。関西空港行きへの変更は当然無理、成田行きでも席変更をお願いするが、それも無理なので、機内で言ってくれ、とのこと。なんじゃそりゃ!そんなことをしていると、ラウンジに入って2時間ぐらいがたっていた。そして、14時前に飛行機に乗り込み、フライトアテンダントに言ってみる。するとチェックインカウンターではできなかったのか?といわれるが、できなかったから今言ってるんだ!でも親切にいろいろとやってくれて、隣の席の人たちに交渉してくれ、4人一緒は無理だったが、2席ずつとることができた。後で聞いてみると、ルフトハンザはそういうことがよくあるらしい。今までいいイメージがあったが、なんとなく嫌になった。
 
(左)フランクフルト空港では、こんなところに喫煙コーナーがある。仕切りがない。さすがヨーロッパだ。 (右)さよならドイツ!

日本時間で9時前に到着。しかし、日本は超暑い!スイスなどは涼しかったこともあったが、35度近い。成田から羽田に向かうが、時間があったので、東京の親戚と東京タワーに行くことにした。浜松町から東京タワーまで歩いた15分ぐらいは死にそうに暑かった。暑すぎて顔が真っ赤になる。タワーの下では猿まわしをやったりしている。そしてチケットを買おうとすると長蛇の列。上に上るのはあきらめて、下で食事だけすることにした。残念。その後、羽田までいき関空経由で帰宅。

今回は初めてのヨーロッパ家族旅行であったが、そんなにトラブルもなくよかったよかった。ヨーロッパでも道路整備はかなりされているので、レンタカーを借りても十分に回れることができる。はじめてだったので、1日の移動距離をあまり長くしていなかったが、これならもう少し距離的にもいろいろと回ることができると思った。ただ、ヨーロッパはミッション車が主流なので、オートマチック車はレンタル料がかなり高くなるのがネックだ。それと、今回は何故か迷うことが多かった。なんでもないところでも、よく迷う。何故か?と思ったが、アメリカ西部はほとんど1本道なので迷いようがないが、ヨーロッパはさすがに人口密集地なので、いろんな方面に道が伸びている。それが原因だと思った。今回もエリアが広くなるので、地図は極力少なく持っていったが、それでも10枚ぐらいは持参した。そのあたりをもう少し工夫できればいいのだろう。さー、次はアメリカか、ヨーロッパか、はたまたまったく違うところに行くか迷うところだ。

〜完〜

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