- Glacier & Waterton Lakes -                  

2005年8月訪問   【入園料】車1台10ドル、カナダから入ると4カナダドル

あまりに広い公園なので、エリアを@ウォータートンレイクAメニーグレイシャーBセントメリーからマクドナルドまでのGTTSCトウ・メディスンの4つにわけて
います。それ以外には、行くまでの情報国境税関宿泊情報などを掲載しています。


カナディアンロッキーの後に行ったこともあるのか、かなり似ていると思った。ヨセミテもそうであるが、ロッキー山脈の北部は景色の雄大さが似ているのかもしれな
い。この公園もカナディアンロッキーと同様、大陸分水嶺が走っており、3000m級の山々が連なっている。ここはグランドキャニオンと同様に、古くから観光開
発が進み、19世紀末にはグレートノーザン鉄道が敷設され、1930年に公園を横切るゴーイング・トウ・ザ・サン・ロード(GTTS)が開通した。また、世界で唯
一の国際平和公園となっており(1932年)、1995年にはユネスコの世界遺産にも登録されている。

カナダに初めて行って感じたことだが、「アメリカと仲がいいというわけではない」、ということだ。行く前はカナダはアメリカの準州ってな感じでいたが、機内ではフラ
ンス語が流れるし、市内ではイギリス英語使ってるし、もちろん紙幣も違うし・・・。かなり意外であった。そして、この公園も国際平和公園になっているといって
も、入場料は別々で、しかもカナダドルとアメリカドルで支払う必要があるし、国境越えるときもいろいろ質問されるし、同じ場所に公園があるといっても、違う
公園のような気がした。この公園だけでも、同じ通貨を使えるようにするとか、そのぐらい便宜を図ってくれよ、と思ったのは私だけではないはずだ。観光開発と
いう面でも異なっており、カナダ側のウォータートンはビレッジのようになっていたが、アメリカ側のセントメリーやメニー・グレイシャーはできるだけ自然を残すように
作っているように感じた。もっとやっかいなのが、カナダはキロメートル表示、アメリカに入るとマイル表示になることだ。ややこしい・・・。

 
(左)これが6号、17号(チーフ・マウンテン・インターナショナル・ハイウェイ)にあるアメリカの国境税関だ(冬は閉鎖)。滞在日数、滞在先、カナダへの帰国日
など聞かれた。荷物検査はなかった。
なお、カナダに入るときは向こうに見えているカナダ側の税関を通る。カナダ側のほうは特にたいした質問はなかった。
(右)国境税関の中に貼っていた「9月11日同時多発テロを忘れるな!」のポスターが印象深い。ブッシュ大統領の写真も飾っていた。

この公園はグレイシャーが4144平方キロメートル、ウォータートンが526平方キロメートルというとてつもなく大きな公園だ(ちなみに、ヨセミテが3027平方キロメ
ートル)。なので数日間ですべてを満喫するには不可能なため、宿泊するにも絞るしかない。また、トレイルが1100Kmを越えているため、全てを踏破した人っ
ていないんじゃないか、と思うぐらい長い。いくつかのエリアがあって、事前調べによってどこに絞るかにもかかっているように思う。

  
(左)アメリカ国境税関を越えたところ。 (中)トウ・メディスン・レイクに向かう途中。 (右)セントメリーの入り口。


<ウォータトンレイク(カナダ)(Waterton Lakes)>
カナダ側の国立公園。この場所は、プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル(Prince of Wales Hotel)が観光の中心と言っていい。最初、ここに泊まりたい!と思っ
たが、あまりの宿泊費の高さに断念。ロビーを見るだけでもと思い、中に入ってみると、レストランやバーがあり、バーの方は子どもは入場禁止。お土産屋を覗
いてみてもかなり高い。そのわりに外壁の作りがロッジ的でちゃっちい感じがした。バンフやレイクルイーズのフェアモントを見た後だったからかもしれない。この公
園で遊ぼうと思ったら、ビレッジから船に乗ってトレイルを歩くツアーに参加しなければならない。今回は時間の都合もあり、このホテルとビレッジ、そしてキャメロ
ン・レイクに行っただけだった。
 
(左)パンフレットなどでよく見る光景だ!ようやくホテルが見えてきた。感動の瞬間だ。
(右)ホテルの裏にまわるとこんな感じで見える。この原っぱからは、ビレッジやウォータートンレイクを見ることが出来る。朝や夕方はさぞかし綺麗だろうと思う。

 
(左)プリンス・オブ・ウェールズ・ホテルの裏がらビレッジを望む。高台にあることもあり、下界を望むようだ。水が美しい。
(右)ビレッジから約17Kmのところにあるキャメロン湖(Cameron Lake)。ここは対岸にグリズリーがよく出没するそうで、観測用の望遠鏡があった。湖畔で遊
んでいると熊じゃなくってハチに襲撃された・・・。


<メニー・グレイシャー(Many Glacier)>
ウォータートンレイクから南下すると、次に立ち寄るエリア。バブ(Babb)という街から右折する。ここには2つのホテルがあるが、メニーグレイシャーホテルは満室だ
ったので、スウィフトカレントモーターインにした。トレイルも沢山あり迷ってしまうが、グリンネル氷河までのトレイルが人気らしい。また、スウィフトカレントパスを超
えて、山の向こうのGTTSまで行ってしまうのも面白そうなコースだ。いつかは行ってみたいと思いつつ、今回はレッド・ロック・レイクまでの2Kmほどのトレイルだけ
歩いた。
 
(左)スウィフト・カレント・モーター・インの奥からトレイルが始まる。歩いてすぐのところに川が流れており、今からの景色に期待だ。このときすれ違った少年が
「鹿だ!鹿だ!」と叫んでいたが、我々は遭遇することが出来なかった。
(右)ようやくレッド・ロック湖(Redrook Lake)に到着。カナディアンロッキーとは水の色が異なるが、それでもかなり綺麗であった。水の中に入るとやはり冷た
い。しかし、この後、子どもが岩に顔をぶつけ口の上を切ることに・・・。

 
(左)スウィフト・カレント湖(Swiftcurrent Lake)とそのほとりに建つメニーグレイシャーホテル。子どもを病院に搬送中に急いで撮影。美しい!このほとりのト
レイルを歩く予定だったのに・・・と、そんな場合じゃない!
(右)メニーグレイシャーの入り口部分に位置するシェルバーン湖(Sherburne Lake)。同じく病院搬送中。湖畔でゆっくりしたくなる湖であった。


<セントメリー(St. Mary)からマクドナルド(McDonald)までのGTTS>
グレイシャー観光の中心となるGTTSはさすがに見どころが多い。1930年に作られた道でかなり狭いため、運転には緊張するが、その景色は素晴らしい。一
歩間違えると1000mはあると思われる崖を転落してしまうが、それさえ気をつけていればスリリングな気分を味わえる。
 
(左)セントメリー湖(St. Mary Lake)。湖の真ん中に浮かぶのは、Wild Goose Islandだ。島の配置が絶妙にいい!この日は少しモヤがかかっていたのが残
念だ。
(右)サン・ポイント(Sun Point)からセントメリーレイクを眺める。駐車場から10分ほどトレイルを歩けば、急に視界が広がり素晴らしい景色となる。湖の水も
かなり綺麗だということがわかる。しかし、気をつけないと湖に落ちてしまうところもあるので足場に注意。

 
(左)GTTSの中心であるローガン・パス(Logan Pass)。ここにはビジターセンターがあり、大陸分水嶺と交わる峠に位置する。標高は2025m。ここからもいく
つかのトレイルがあるが、最も人気の高いヒドウン・レイク展望台(Hidden Lake Overlook)まで歩いた。
(右)ヒドウン・レイクへのトレイルの始まったところぐらい。ヒドウン・レイク展望台までは片道2Kmという距離だが、途中まで視界良好な部分を通るため、景色
を十分に楽しみながら歩ける。

 
(左)ついに到着、ヒドウン・レイク展望台!この日は残念ながらモヤがかかっており、すこしぼけている。一眼レフを持ったアメリカ人も非常に残念がっていた。
晴れていればかなり綺麗だろう。
(右)このトレイルの楽しみは、グレイシャーの象徴とも言うべき、マウンテンゴート(Mountain Goat)と出会えることだ。人間を恐れることなく、堂々とトレイルの
上を歩いてくる。この近辺に2000頭ほど生息しているそうだ。

 
(左)マクドナルド湖(Lake McDonald)。せっかくなのでマクドナルド湖まで行ってみた。レイク・マクドナルド・ロッジには、湖のほとりでのんびりビールを飲んでい
る人たちが多くいた。湖を見ながらのんびりすごすのが、この湖の遊び方なのかもしれない。もちろん、ここにもボートや遊覧船などがあった。
(右)再びGTTSをセントメリーへ向かう。セントメリーへ向かうときは谷側の車線を通らなくてはならない。柵といえば30cm程度の石しかなく、間違えると
1000m下に落ちてしまう・・・、などと考えるとハンドル持つ手も真剣になってしまった。ちなみに、この山の向こうはメニー・グレイシャー側なので、スウィフトカレン
トがある。

 
(左)ローガンパス近辺から。左下の細い線になっている部分がGTTSだ。
(右)ローガンパスを超えてしばらくいったところ。こちらも深い谷が待っている。しかし、木の生え方が非常に美しい。


<トウ・メディスン(Two Medicine Lake)>
グレイシャー国立公園の南西部に位置する。鉄道の東駅があるイーストグレイシャーから近い。イーストグレイシャーにはグレイシャー・パーク・ロッジがあるが、
ここは比較的空いているようで、メニーグレイシャーで予約したいと言っているのに、何度もここを勧められた。そんなに人気がないところか!?と返ってイメージ
ダウンしてしまったが、実際に行ってみると、落ち着いた感じのいい場所に、泊まってみたいと思わせるようなロッジがたっていた。ただ、ローガンパスやウォータート
ンには限りなく遠いので、人気がないのだろう。

 
(左)このエリアの観光の中心であるトウ・メディスン湖(Two Medicine Lake)。名前の由来かどうかわからないが、湖の真ん中ぐらいにくぼみがあり、ひょうた
んぽい形をした湖のようだった。船乗り場から見た感じでは、かなり奥が深そうだったが、実際はセントメリーレイクやレイクマクドナルドよりもはるかに小さい。時
間があればボートにでも、と思ったが2時間に1回しかクルーズがなく断念。
(右)トウ・メディスン湖の湖畔に建つお土産屋。スーパーのようなコーナーもあり、ジュース類、食品なども売っていた。妙に景色にマッチしている。
 
(左)トウ・メディスン湖から、セントメリーに向かう49号線近くから、ロウアー・トウ・メディスン湖(Lower Two Medicine Lake)を望む。この湖は公園の境目を
またがっている。あまり注目されていないものの、まずまずの景色であった。
(右)49号線、89号線を北上すると、セントメリーに行ける。その途中では山岳地帯を通っていたと思ったら急に平原が見えてくる。平原がいきなり山岳地帯
になるグレイシャー国立公園の特徴がよくわかるエリアだった。しかし、空が綺麗だ!


【宿泊】
メニーグレイシャーエリアのスウィフトカレントモーターイン(Swiftcurrent Motor Inn)で1泊した。ここは園が経営しているホテルであり、予約は園内にある6つ
の宿泊施設を一括で行っている。Webページはこれ

 
(左)ウォータートン経由で21時に到着。かろうじて明るい。 (右)朝起きると美しい景色が!

グレイシャーの2日目、3日目はセントメリーにあるセントメリーロッジ(St. Mary Lodge)に宿泊した。民間経営のホテルであり、以下のWebの美しさにひかれて
予約した。でも、トップページのような景色がほんとに見れるのかは疑問・・・。Webで予約を行った後、予約確認書をわざわざ郵送で日本まで送ってくれた
のには、丁寧だと思った。


 
(左)部屋タイプはいろいろあるものの、今回はロッジにした。中にはダイニング、キッチン、電子レンジ、キングサイズベッドとツインベッドがあり、暮らしている感
覚ですごすことができた。
(右)部屋の前には川が流れており、子ども達の格好の遊び場となった。


【アクセス】
カルガリーから2号線をナントン(Nanton)まで南下し(約100Km)、533号に入り22号を南下、3号に入ってすぐに6号を南下するルートが一番早いと思われ
る。カルガリーからだと約280Kmぐらいだから、真剣に走れば3時間強で到着するだろう。
私の場合、行きはフランクスライドにより、帰りはレスブリッジまで行ったので、行きも帰りも5時間以上かかってしまった。ちなみに、レスブリッジからカルガリーに
帰る途中、23号線と2号線の間に520号線がある。この道路は32Kmずーーーと1本道だ!地図で見ると道路がまっすぐだったので、ほんとか?と思って通って
みると、ほんとにまーーすぐだった。途中、ハンドルを動かすことなくぶっ飛ばすことができる。
 
(左)カルガリー郊外でよく見かける馬のえさ。何十個も野原に転がっているさまは圧巻。
(右)ウォータートンに行くには遠回りになるが、3号線をブリティッシュ・コロンビア州に向かうとフランクスライド(Frank Slide)がある。1903年4月29日に突然1
億トンの石灰岩が3号沿いに崩れ落ちてきた。わずか90秒の間に、幅1km、長さ425m、深さ150mにわたって崩れ落ち、70名の方が亡くなったようだ。フラン
クの街は一瞬にして壊滅した悲しい歴史の場所。今は案内所が高台にあり、当時の記録を映画上映などしている。しかし、道路や鉄道のインフラを除いて、
そのままにしているというのに驚いた。

 
(左)これが520号線だ!この1直線の道が32Km、延々と続く。
(右)ナントン(Nanton)の街にはランカスター航空博物館(Lancaster Air Museum)がある。第二次世界大戦のとき、イギリスの基地からドイツの工業地
帯を爆撃したランカスター爆撃機を保存している(この写真ではない)。2号線を南下しナントンの街に入ってしばらく走ると、突然、右手にランカスター爆撃機
が現れ度肝を抜かれる。帰りに寄るぞ〜、と思って寄ったものの、17時を過ぎておりあえなく閉館。ランカスター爆撃機は、幻に終わったのでした。なお、閉館
してても2機の戦闘機は常設展示されているので、近くで見ることはできる。

  

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