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ルーマニア・ブルガリア

【旅程】
いつかはルーマニアのチャウシェシュク遺跡を見たいと思っていた。ロンドンから少し遠いけど、出張の最後に行く超短期の旅で行くことにした。ルーマニアといえば、コマネチ、ドラキュラ、チャウシェスク。ドラキュラゆかりの地、ブラショフはブカレストからかなり遠いので断念。ブカレストの街外れにあるチャウシェスク大統領が作った宮殿のような国民の館を見るためにロンドンから3時間かけてブカレストへ。ブカレストは素敵な街であるが、渋滞がすごかった。帰りの便にあやうく乗り遅れるところだった。

【今回のドライブ】
ルーマニアのブカレストからドナウ川を越えてブルガリアのルセへ。次の日は同じルートを引き返すだけ。往復210Kmとそれほど長く走っていない。ルーマニアの首都であるブカレストはドナウ川に近いところなのか、国境にも近いのだ。帰りは空港で時間がなくガソリンは距離精算となった。

【旅行記】 313日~14

1日目 ロンドン・ヒースロー⇒ブカレスト⇒ルセ(泊)
6:20にロンドンのホテルで起床。ホテルを720に出発し、ヒースローターミナル58時過ぎにつく。しかしすごい霧だ。これで飛行機が飛ぶのか、と不安になる。チェックインが早くできたのでターミナル内のショップをぶらぶら。ヒースローのターミナル5はそこそこ店がある。チョコなどのお土産を買って、Wagamamaのラーメンがとても食べたくなり店に入る。イギリスではなかなかの人気店らしい。少しイメージした味と違っていたが、ラーメンを食べて満足。1030に搭乗。しかし、なかなか出発しないが、ようやく1120に出発。定刻が950なのにかなり遅れた。やっぱり霧の影響か。

ロンドンとルーマニアは時差が2時間ある。3時間の飛行時間でブカレストに着いたのが1640になってしまう。同じヨーロッパなのに、1日使ってしまった感覚だ。飛行機が1時間30分も遅れたのもあるが仕方ない。ブカレスト空港は首都にしてはこじんまりした空港だ。国際線ターミナルを出るが、レンタカーの場所がよくわからない。かなり気温が上がっており、暑い中、探しまくる。そのすきに地図も買う。ようやくわかったが、空港から少し遠いところにあるようだ。歩いていけるので、意地で歩いていく。そしてやうやく1750にブカレスト空港を出発だ。もう夕方である。

  
(左)ドイツ上空でブカレストはまだまだだ。 (中)ブカレスト近辺は畑が多い。緑の多い国である。 (右)ブカレストの空港から市街地へ向かう。

ブカレストの空港は市街地の北にあるので、南下する。道路はそこそこ整備されている。この日はブカレストの遺跡を少し見てから、ルセに向かう予定であった。まずは、市街地の途中にあるルーマニア国営テレビに向かう。その途中に、凱旋門があった。パリのものよりも小さいがなかなかのものだ。そしてルーマニア国営テレビにいく。このあたりからすごい車だ。ここは、1989年にチャウシェスク大統領が処刑され、民主化が進められる事になった。その舞台となったのが、街の北部にあるルーマニア国営テレビ局というわけだ。ここには、入り口にひっそりと犠牲者のための慰霊碑が建っている。

そして次に向かうのが国民の館。チャウシェスクが晩年に血迷って超巨大な宮殿を建てた。地図には議事堂宮殿と書かれている。部屋数は3107もあるらしい。世界の官庁、宮殿の建物のなかでも、アメリカ・ペンタゴンに次ぐ規模らしい。確かに巨大だ。チャウシェスク大統領の権力の大きさがわかるものの、処刑されてしまったことを考えると、もの悲しい。何人か観光客が写真を撮っている。しかし、圧倒的な存在感である。

旧市街地に入ってしばらく運転していたが、なかなかの街並みである。国民の館をみればルセにいこうと思っていたが、車をおいて、市街地を歩きたくなった。もうすでに1930になっているが、ルセまで近いので、のんびりと周る。中心部はパブなどが多くあってとても雰囲気がいい。人通りも多い。なかなかの活気だ。こじんまりとしたお土産屋があったので入ってみると、親子でやっていた。お母さんのほうはとても愛想が良くて、ルーマニアのことを説明してくれた。特にいいものはなかったものの、ついつい買ってしまう。この後もルーマニアの方に何人か接したが、みなさんとてもいい人ばかり。とても好きになった。

  
(左)パリに模した凱旋門。 (中)ルーマニア国営テレビ局前の慰霊碑。ひっそりしている。 (右)これがチャウシェスク宮殿!夜に見ると異様だ。

そしてようやくルセに向かう。もう21時前。ま、いいか。市街地はかなり車が多いが次第に田舎道になってくる。かなり郊外まで、路面電車が走っている。レトロな感じだが、共産圏でよく見る型だ。それからは真っ暗な夜の道をひたすら走る。すると1時間ほどするとドナウ川の検問が見えてきた。最初にあった検問は閉鎖しているようで、ぐるっと周れと言われる。未舗装のところをぐるっとまわると多くのトラックが停車していた。国境を車で通過するのはいつも緊張するのであるが、ドナウ川にかかる橋を通過する。古い橋のように思えたが、かなり巨大。川の真ん中が国境だ。国境にかかる橋というのも素敵である。橋がおわると検問があるが、それほど時間がかからずに通過できた。30分ほどか。ルセの看板が見えてブルガリアに入ったと実感!

ブルガリアといえば、ヨーグルトか。明治ヨーグルトのイメージが強いが。国境には両替所がある。せっかくなのでルーマニアのRON(Lei)から、ブルガリアのレフ(Lv)に両替した。ルーマニアではATMで引き出したが、引き出しすぎてここではLeiからレフにした。かなり珍しい紙幣が入手できたものだ。そこから川沿いと思われる道を行き、少し迷うもののホテルに到着。車から荷物を降ろしていると、わざわざホテルのスタッフが迎えに来てくれた。やさしい。チェックインも気分よくでき、川が見える部屋へ。夜なので川はうっすらしか見えないが、雰囲気はある。それにしても部屋が広い。いいホテルを予約したものだ。おなかがすいたので最上階のレストランにいく。ブルガリアのビールあるよ、と言われ、それ!ということで一杯飲むがとてもうまい!少し苦いのだが、うまく感じるのだろう。スパゲティも食べてご満悦。その日は1時前に就寝。

  
(左)ブカレスト中心部はとても雰囲気のいい建物が多い。 (中)ブカレストからルセに向かう郊外で走るレトロな市電。なんとなくロシア系? (右)ドナウ川を渡ってブルガリアへ!

2日目 ルセ⇒ブカレスト⇒フランクフルト⇒ソウル⇒帰国

いつもながらの駆け足の旅。この日はブルガリアからルーマニアにいき、フランクフルト経由で帰国だ。7時前に起きる。カーテンを開けると、とても素晴らしい景色が広がっている。ドナウ川が見事に見えるし、ルセの下町が眼下に見える。その光景がとてもマッチしている。いいホテルを選んだものだ。ホテルの1階にレストランがあるので朝食にいくが、それがまたゴージャス。いろんな食べ物が並んでいた。ドナウ川は見ることができない部屋であるが、食事に満足。少し遅めの930にチェックアウト。そろそろ行かなくてはと思いながらも、ついついドナウ川沿いを散策してみる。ホテルから少し歩けば鉄道の上の歩道橋を通り、川沿いにでる。近隣の住民も気持ちよさそうに散策している。ヨーロッパにはいくつかの名河があるが、このドナウ川もそうであろう。この川があったからこそ、周辺部が発展したのであろう。悠久の流れを感じる。川沿いでボーっとしているというのもいいものである。かなり後ろ髪引かれながら、出発することにした。
  
ホテルの部屋から見る景色はたまりません!ずっといたい。

ホテルの駐車場を出ようとするが、駐車場を出るところの料金を払おうとするが、機械がうまく作動しない。仕方なくフロントにいくと、申し訳なさそうに処理してくれた。フロントの女性はとても感じのいい人だった。ルセの街を車で回るが、そんなに見所はない。雰囲気はいい街ではあるが、一回りして、ドナウ川を渡ってルーマニアに向かうことにした。国境を通過したのが11時前。国境通過には15分ほどしかかからなかった。そこからはひたすらブカレストに向かう。国境から少し走ったところに、Googleマップでみるといかにも作られた感がある街があった。そこに立ち寄る。区画整理はされているが、舗装されていないし、家の付近にはごみが散乱しているし、綺麗とは思えない街であった。街のはずれにいくと荒野のなかにあることが実感できる。ここに集落を作って、強く生きているのだろう。
  
(左)ドナウ川沿いを歩くと超気持ちいい!右の建物がホテル。 (中)言葉がわからず。水はそれほどきれいではない。 (右)再びルーマニアへ!川の上で国境を超えるというのはなかなかのものである。

そこからはひたすらブカレストに向かって走る。途中、景色のいいところもあるが、基本的に荒野である。ブカレストの街はかなり市域が広い。中心部までまだまだのところから、市電が走り始めるし、渋滞が発生している。このぐらいからヤバイと思い始めた。飛行機の時間は1410。できれば12時につきたいころであるが、渋滞がひどくてなかなかいけない。それでもなんとか中心部についたとき、よせばいいのに、チャウシェスクの宮殿である、国民の館の近くを通ったので、そこまで行ってみた。昼間に見てもやはり巨大である。通りすがりに写真だけとって空港へ。すでに13時過ぎている。もうやばい、と思いながらも、焦るので、道を間違えた。サイドミラーを少しぶつけながらも軌道修正し、空港への一本道に入る。ここからは飛ばしまくり。クラクションを鳴らされながらもひた走る。そして空港にはなんと1330に到着。もう締め切っているかと思いながらも、まずは車をその辺においてダッシュ。すると、空港係員、いけてない感じで、ここには止めては駄目だろ!と言ってくる。わかってるけど時間がないのだ!無視してカウンターまでダッシュ。すると幸いなことに飛行機が遅れている。ぜーぜーいいながらカウンターに行くと、おねえさんが涼しい顔して、もう締め切っているわよ、と言いながらも、遅れているので発券してくれた。ラッキーだ。すぐさま車に引き返し、まだギャーギャー言っている空港係員を振り切ってハーツに返却。車のチェックをして空港に送ってくれた。そしてぎりぎりの14:10に搭乗できた。定刻が14:10だったので、結果的に少しだけ遅れているという状況だった。ほんとに良かった。これが乗り遅れると、フランクフルト、ソウル経由なので、チケット変更もかなり面倒なことになっていた。座席で汗を拭いながら、安堵感にひたるとともに、ルーマニア、ブルガリアの超短期の旅行だったものの、とても思いで深いものになったと感慨にひたる。フランクフルトにもほぼ定刻に到着し、まだ時間があったので、久しぶりにフランクフルトの空港の外に出た。空港近くは近代的なビルや駐車場しかないが、それでも少し休めるところでタバコをふかす。今回もいい旅であった。さー、次はどこにするかな、と思いながらソウル行きの飛行機に18時過ぎに搭乗した。
  
(左)ドナウ川を越えてブカレストへ!というところの標識。道は走りやすい。 (中)再びチャウシェスク宮殿の国民の館。確かに巨大である。 (右)もう時間がないところだがロシア風建物発見。


~完~



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