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ロシアとノルウェー、そしてデンマーク、スウェーデン+北京
【旅程】
2012年8月10日  関空⇒北京(万里の長城/慕田峪長城(ぼでんよく)・天安門広場)⇒
8月11日 ⇒フランクフルト⇒コペンハーゲン(人魚像、クロンボー城、ニューハウン)
     クオリティーホテル・エアポート・ダン
8月12日 コペンハーゲン⇒モスクワ(文化人アパートなど)
     コローメンスコエ
8月13日 モスクワ観光(赤の広場、クレムリン)
     コローメンスコエ
8月14日 モスクワ⇒ストックホルム(ガムラスタン)
     スカンディック・セルゲル・プラザホテル
8月15日 ストックホルム(市役所・ガムラスタン)⇒オスロ
     トンホテルステファン泊
8月16日 オスロ(国立美術館(ムンク)・王宮)⇒スタバンゲル
     Clarion Collection Hotel Skagen Brygge泊
8月17日 リーセフィヨルド 
     
Clarion Collection Hotel Skagen Brygge泊
8月18日 リーセフィヨルド⇒ベルゲン 
     ストランドホテル泊
8月19日、20日  ベルゲン⇒フランクフルト⇒(機中泊)⇒北京⇒関空
写真はノルウェーのリーセフィヨルド。

【旅行前】
今回も無料航空券を駆使する旅。
行き先はロシアに決定!ロシアのなかでモスクワやサンクトペテルブルグを回ってもよかったが、それでが間が持たないかも、ということでモスクワだけにして、北欧にいくことにした。北欧であれば、ノルウェーのフィヨルドは外せない。フィヨルドといっても、たくさんあるが、昔から行きたかったリーセフィヨルドだけ行くことにした。北欧は物価が高いこともあって、できる限り無料航空券を使った安い旅行にするためには、北京経由でいったほうがいい。ということで、北京以降はすべて無料航空券で、しかも中国含めて6カ国を回ることになり、いつもながらの駆け足旅行となった。飛行機に10回も乗る旅となり、おそらくこれまでの旅行の中でも最も移動距離が長かったのではないだろうか。移動のなかのトランジットを使ってデンマークとスウェーデンにも訪れることができる、贅沢な旅となった。


【今回のドライブ】
デンマークとノルウェーでレンタカーを借りる。デンマークでは132Km、ノルウェーでは245Kmを走ることが出来た。いつもよりもかなり短いが、デンマークの美しい町並みとノルウェーのフィヨルドやトンネルを走るのは気持ちよかった。
そしてガソリン代は以下のとおり。やっぱり北欧は高い!

@コペンハーゲン 129.5DKK (11.52L) 1リッター11.26DKK = 172円
Aベルゲン 219.63NOK (15.95L) 1リッター13.77NOK = 214円

【通貨】
ユーロに属していない国ばかりであり、それぞれの通貨を持つ必要があった。はっきり言って、どれがどの国かわからなくなる。
デンマーク・クローネ(DKK) 15.24円 (1番左)
ロシア・ルーブル(RUB)  2.99円 (1番右)
スウェーデン・クローナ(SEK)  13.93円 (右から2番目)
ノルウェー・クローネ(NOK)  15.55円 (左から2番目)


【旅行記】
8月10日 関空⇒北京⇒(機中泊)

関空北京行きは定刻10時。自宅を6:40に出てはるかに乗る。指定席がいっぱいだったので、仕方なくグリーンを予約。日本出国する前に思わぬ出費だ。荷物を預けにカウンターにいくが、関空⇒北京⇒フランクフルト⇒コペンハーゲンになるのでややこしいらしく、かなり待たされた。ようやく処理ができたようで30分ほどかかっただろうか。ま、気にせずANAラウンジでしばしくつろぐ。10時に搭乗。ANAはなれているだけあって、やっぱり落ち着く。島根あたりを通って韓国を抜け、北京へ。いつもながら北京上空はとても曇っている。黄砂なのかスモッグなのかよくわからないが、とにかく汚い。13:20に到着。空港ですぐにタクシーに乗ろうとするが、声をかけてきたあんちゃんについていく。みると結構豪華な車であり、少し高いがこの車をチャーターすることにした。しかし、中国は行くたびに物価があがっている気がするのが寂しいところだ。北京や上海などは、ほんとに日本と変わらなくなった感じだ。チャーター代は1800元。

司馬台長城(しばだい)に行きたくて運転手にいったが、遠すぎて無理と言われる。よって、慕田峪長城(ぼでんよく)に行くことになった。北京国際機場を出て高速に乗り1時間20分ほどで到着。ついて山道をあがり、ロープウェイに乗り込む。家族4人で420元。急な角度でのぼっていくと途中から万里の長城が見えた。こんな山の中によく作ったものだ。ほんと感心する。秦の始皇帝の絶大な権力から、100万人の人民が集められた。全国から徴収されたが、期限に遅れると死刑。ついても過酷な労働のために、亡くなった人民も多かったようだ。これだけのものを作っておけば、さすがに北方民族の侵入にも安心かもしれない。

長城をしばらく歩くが、とにかく暑い。整備されているので歩きやすかったものの、アップダウンも結構あたっりして、景色を楽しみながらも、キツい。それでも、遠くに見える高いところまで行こうということでがんばる。小学校4年生の息子は、いつのまにやら体力がついたようで、スタスタと歩いていく。急な階段になるととても怖いのだが、それでも早い。負けじと登るが、城郭までいくと、息があがってぜーぜーだ。おばちゃんがいたので、写真を撮ってもらった。撮ったからには何か買わなくちゃ、と思い、ジュースを買う。ふもとに比べたらありえない高さだが、仕方ない。20元を払う。しばし、そこで休憩していたが、そろそろ行かなくては、ということで降りる。とても汗をかいたので、着替えがなかったことから、ふもとの売店でTシャツを購入。おばちゃんの執拗なおすすめによって、2枚買ってしまった。汗でべちゃべちゃだったので、車で着替えてスッキリした。

2時間ほどで天安門広場に到着。19時だったので、そろそろ暗くなる頃だったが、まだまだ人がたくさんいた。中国のなかでも、最も好きな場所かもしれない。広さと周りの建物の威圧感から中国という国家の大きさを感じることができる。紫禁城にはられている毛沢東像の前では、多くの人民がいて、写真を撮っている。今でも英雄だ。19:30ごろに天安門広場をあとにする。空港についたのが20:20。お腹すいたので、ラーメンを食べる。あまりおいしくなかった。そしてチェックインして中国国際航空のラウンジにいってみた。するととても広くて、しかも食べ物もあまるほどある。ラーメンがまたあったので食べたが、これはおいしかった。シェルターのような仮眠室があったので、家族はそこで仮眠をとる。ソファーで横になっていると、自然に寝ていたようで、気がつくと1:20になっていた。そこから、搭乗口にいき1:35に搭乗。フランクフルト行きの中国国際航空だ。深夜となったが、1:50にほぼ定刻どおりに出発。

   
万里の長城を歩く。だいぶ修復されているので歩きやすい。本当はもっと崩れたところを歩きたかったのだが、それは次回だ。

  
(左)中国国際航空のラウンジのラーメン。        (中)中国国際航空の広いラウンジ。        (右)仮眠室。静かだし安眠できそう。


8月11日 ⇒フランクフルト⇒コペンハーゲン

ほぼ定刻どおりの6:05にフランクフルト着。眠い。フランクフルトはさすがにハブ、空港内が広いし、ターミナルを間違えたら大変なことになる。方向はわかったが、念のため係員に確認。朝早いのにすごい人だ。7:30に出発だが、バスに乗って飛行機までいく。どこまで行くのかと思うぐらいバスが走り、つくと空港のほんとの端っこ。コペンハーゲン行きの飛行機はとても小さいし、こんな扱いなのか、と思ってしまう。飛行機もとても小さい。飛び立ってフランクフルト空港をぐるっと回りながら北へ向かう。森の中にある空港というのが、よくわかる。しばらく飛ぶと海が見えてきて、海に風車があり、そして畑が見えてくると畑にも風車が見える。さすがに新エネルギーに熱心に取り組んでいる国だ。どのぐらいの電力量をまかなっているのだろうか。美しいデンマークの風景を見ながら、コペンハーゲン空港に到着。朝の8:50で、外にでると肌寒い。車を借りて出発!天気が良くて気持ちがいい。

レンタカーを借りて10時すぎに出発。コペンに来たらまずは、人魚姫の像だ。世界3大ガッカリと言われても、コペンに来たからには見ないといけない。空港から市街地までは30分ほどで行ける。カステレットというところにいき、そこから公園内を歩くが、そこがまた気持ちいい。散策していると人が集まっているところがあった。遠くからでも、小さな人魚姫像が見えた。これか。でもガッカリと言われながらも、おとぎの国という感じがあって、そんなにガッカリでもない。写真とったり、人魚姫の像を買ったりして楽しむ。もう少し奥に行くと、ヨットハーバーがあり、そのさらに先は大型客船が停泊している。ヨットハーバーでは、のんびりとヨットに揺られながら、本を読んでいる老人がいた。これこそまさに、QOL、クオリティーライフだ!優雅な感じがとてもいい。夏の旅行はこれだからいいな〜と、こっちまで優雅な感じで、公園を歩いていると、サンドイッチ屋があった。お腹がすいていたので、買うがとてもおいしい。さらに満たされた時間となった。

   
ドイツから北上しデンマークに入ると、島だらけとなる。のどかな風景が広がる。 (右から2番目)人魚姫像。海沿いにあるのでとても気持ちがいい。

そこから、なぜだか行きたかったクロンボー城に向かう。スウェーデンとの国境の城であり、昔はスウェーデンと戦争もあった場所だ。交通の要衝になる。海岸沿いを北上すると、ビーチが続いている。リゾート地のようなところに差し掛かると、思わず車をとめてビーチへ。北海に近いがバルト海になる。エーレ海峡というらしいが、とにかく気持ち良い。しばし浜辺で遊んだあと、クロンボー城へ。コペンから休憩いれて2時間ほどで到着。クロンボー城は世界遺産にもなっているようで、人気が高い。人もとても多い。重厚な感じであり、裏に回ると対岸にはスウェーデンがすぐそこに見える。フェリーがひっきりなしにわたっている。城の中には、スウェーデンとの戦いを描いたビデオや、晩餐会場などがあって、そこそこ楽しめた。城からもスウェーデンが見えるが、監視するには最適の場所である。満足感の高い城となり、コペンへ引き返す。帰りは高速を使ったので1時間ほどでついた。

コペンにつくと18時であったので、ちょうど食事するにはいいが、先に街をぶらぶらと歩く。市役所前にいくとアンデルセンの銅像があって、すぐ前にはチボリ公園がある。チボリ公園はイメージと違うかったのだが、街の真ん中にあった。そしてメインストリートを歩いてレゴショップなどを見ながら、ラウンドタワーに向かう。コペンハーゲンの街が一望できるということでのぼってみた。なだらかならせん状の通路を歩いて登ると上に到着。ロシアのピョートル大帝が馬で駆け上がったというところだ。1642年に天文観測所としたクリスチャン4世が作った建物で高さは35M。それほど高くない建物であるが、コペンの街がよく見えた。市役所、チボリ公園なども見える。そして、ニューハウンへ行き、夕食にすることにした。ニューハウンのレストランはどこも満杯。仕方なく対岸のレストランにいくが、景色を見るためにテラスにした。夏といっても、夜になると結構寒い。震えながらも、硬いマトン肉を食べる。味はまずまずか。ニューハウンの夕暮れを楽しみながら、食事をする。食事が終わるとすでに21時だった。早くに飛行機がついていたので、かなり眠い。ホテルは空港近くなので、市街地から空港に戻る感じ。22時に到着すると、子供たちは熟睡状態。ホテルにつくと、すぐに就寝。ついに、あすは待望のロシアだ。ロシアといえば、怖いイメージがあるが、期待と不安が混じった感じ。事件などがなければいいのだが。 

  
(左)クロンボー城へ向かう途中にある海岸前のバス停。リゾート地になっている。(中)クロンボー城。重厚な造りだ。(右)クロンボー城の裏側からスウェーデンを望む。

  
(左)チボリ公園を見るアンデルセン像。        (中)レゴショップ。デンマークらしい。         (右)ニューハウンの夕暮れ。すごい人で賑わっている。


8月12日 コペンハーゲン⇒モスクワ

6時すぎ起床。レストランで食事をして7:30にホテルを出発。空港からすぐなので15分で空港に到着。チェックインも自動になっていて、チェックイン機で手続きをしたあと、荷物ドロップをしてイミグレへ。こじんまりした空港なのですぐに入れ、SASのラウンジへ。とれも綺麗なラウンジで、食事もいろいろとある。ノルウェーを回ってきたという老人に写真などを見せてもらう。これからの旅が楽しみになるというものだ。9時すぎに搭乗し、定刻どおり9:25発。コペンハーゲンを飛び立つとすぐにスウェーデンになる。バルト海を眺めていたが、すぐに雲が広がっていたので何も見えなくなった。2時間経つとロシアの大地が見えてきた。いつも、シベリア上空を通るだけで、一度も来たことがなかったロシア。社会主義っぽい建物(偏見か!?)を見ながら、2時間30分でモスクワに到着。デンマークとロシアは2時間の時差がある。モスクワは13:50と昼過ぎだ。ロシアはビザがいるし、ガイドがいないといけないという旅行するにはめんどくさい国だ。日本でビザ取得したし、旅行社の手配もしていたので、出口で待っていてくれた。想像していた、厳しい入国チェックも特になく、すんなりと入れた。ソビエト時代だったら、そうもいかなかったのかもしれない。
  
(左)コペンハーゲンの朝。朝陽を浴びるビルは美しい。 (中)コペンを飛び立つとすぐに見える半島。ここはすでにスウェーデン。 (右)ついにモスクワが見えてきた。どんな街だろうかとワクワク。

到着してからわずか40分ほどの14:30に空港を出発。事前に聞いてはいたものの、すごい渋滞だ。ずーーーと車が連なっている。しかし、さすが旅行者おかかえの運転手。凄腕だ。路肩を走るし、斜面を走るしで、めちゃくちゃではあるが、とても早い。40分ほどすると、モスクワ中心部が見えてきた。運転手があれが赤の広場の入り口だよ、と言ってくれた。まさにその真ん前を通ってさらに南下する。すると、スターリン建築の代表格である、芸術家アパートが見えてきた!これぞロシアという建物なので、興奮する。重厚であり、ロケットのようであり、堅苦しいロシアのイメージにぴったりの建物だ。男らしい建物とも言うべきか。すっかり興奮してきた。ホテルはモスクワ郊外のコローメンスコエという公園内にしていたので、それからさらに車は走り、空港から約1時間強で到着。運ちゃんはとてもいい奴で、時折、ジェスチャーで名所を案内してくれた。ロシア人、いいやつじゃないか!イメージと違う。

ホテルで少し休憩したあと、16:30から中心部に行く。広い公園を通り、駅方面に向かうが、どうも方向を間違えたようだ。行けども行けどもつかない。50分も歩いて最寄駅より1つ逆の駅まで歩いてしまった。事前にもらっていた地図が逆を書いていたのだ。ま、いっか。そこから切符を買って、薄暗いロシアの地下鉄に乗る。窓が全開で、車輪のキーキー音もすごい。これがモスクワの地下鉄だ。乗っている人たちも、あまり会話もなく、会話しても聞こえないからか、黙って乗っている。20分ほどで中心部にあるチアトラーリナャに到着。赤の広場の前まで行くが、ここは明日のお楽しみということで、違う方向に歩く。お腹がすいたので店を探すがあまりなく、マクドナルドに入ることにした。味はどこでも同じ。マクドナルドにいる間に雨が降っていたが、19時過ぎて雨があがったようで歩いてみる。今回見たかった文化人アパートを目指す。途中、タス通信など、旧ソビエト時代に聞いていた名前のビルを見ながら文化人アパートへ。近くへ行くと、だんだんと見えてきて、その異様な大きさと形に圧倒される。ほんとに男らしい建物である。アパートの屋根には、いくつかの像があったりして、文化人アパートらしいといえばらしいか。スターリン建築の代表作だろう。
  
(左)車から突如見えた赤の広場近くの建物。      (中)南下していくと芸術家アパートが見えてきた。これも興奮だ。(右)コローメンスコエの公園。のどかである。

20時になったので、そろそろホテルに帰ることにした。またうるさい地下鉄に乗って、今度はホテルの最寄駅のカローメンスカヤ駅でおりる。駅の近くにスーパーがあったので、寄って飲み物などを買う。それほど物価は高くない。ただ、記念にとスーパーの中の写真を撮ってしまうと、警備員にとても怒られた。警備員ではなく警察のような感じでもあったが、ひたすら謝ってなんとか許してくれた。少しビビったものの、ロシアでの最初のびっくりか。ホテルにつくと21:40。疲れを取るためにのんびりと過ごす。さて、あすはいよいよ赤の広場やクレムリンだ!楽しみになってきた。
  
(左)薄暗い地下鉄ホームと少し古い電車。   (中)地下鉄ホームから地上までのエスカレーターがとにかく長い。 (右)文化人アパート。今にもロケット発射しそうである。


8月13日 モスクワ観光

移動ばっかりだったので、朝はのんびりと9:30起床。ゴロゴロして気持ちいい。そしてホテルを10:50と遅めに出発。旅行ではせかせかと動き回るのだが、休息も必要だ。ホテルを出てコローメンスコエの公園を歩いていると、おいしそうなレストランを発見。思わず入る。バイキングになっており、自由に選べる。美味しそうなものがたくさんあったので、ついつい多く頼んでしまった。それでも、かなりうまい。カツレツのようなものや野菜などもおいしい。ロシアってこんなに味がいいのか。かなり満足して、赤の広場とクレムリン観光に出かける。そしてまた轟音の地下鉄だ。赤の広場近くにいくと、すごく見たかったマトリョーシカが屋台に多く並んでいる。これだけ美しいものが並んでいると、圧倒されるが、どれにも見入ってしまう。ギャング映画などで必ずコカイン運搬などに使われるマトリョーシカのイメージが強いものの、ロシアといえば、マトリョーシカだ。買うには大きすぎるので、しこたま写真を撮る。中には歴代大統領のものもあり、ゴルバチョフ、エリツィン、プーチンが並ぶ。
  
(左・中)ホテル近くのレストランでの食事。すべてがおいしかった。お姉さんに言えば、とってくれる。  (右)赤の広場前にあるマトリョーシカ。

赤の広場に入る前に、後ろ向きでコインを投げている場所がある。トレビの泉じゃないけど、金色をした丸い場所に立ちコインを投げるのだ。すると、コインを拾っている老婆がいる。これも縄張りがあるようで、ほかのおじいさんが取ろうとすると、すごい怒っていた。コインを投げるのはいいが、コインが入る場所がなく、道端に転がるのだから、確かに拾っても誰も文句はでないのだろう。そして、ついに赤の広場!天安門広場を見た後だっただけに、ロシア帝国の威厳を示す広大な広場と想像していたものの、狭い。しかも工事中で中央部に入れない。ガッカリ感があった。世界音楽祭がもうじき開催されるようで、そのために観客席などの工事をしていたものだ。それでも、気を取り直してグム百貨店やレーニン廟を見ながら、ポクロスキー聖堂に向かう。これぞロシアという建物であり、さすがに見入ってしまう。芝生が近くにあったので、そこで休憩がてら聖堂を鑑賞。近くに行くと、入りたくなって入場。中にはキリストの絵がこれでもかというほど書かれている。ロシア正教のキリストはこんな絵なのだと、しばし鑑賞。
  
(左)工事中の赤の広場。    (中)ポクロスキー聖堂。屋根が美しくてかわいい。   (右)聖堂のなかに描かれているキリスト。

ポキロスキー聖堂をあとにして、クレムリンが見れる橋にいってみる。すると、反対側には芸術家アパートが見れるし、正面には外務省の建物も見える。まさにモスクワの真ん中である。クレムリンはさすがに要塞だけあって、赤い高い壁が延々とある。まさにベストショットだ。それから赤い壁沿いに歩いていき、反対側にあるクレムリンの入口へ。入場券を求める人で長蛇の列だ。家族4人で900ルーブルだから、約2700円。荷物検査を行って、橋をわたって中に入る。ものすごく広い道路の脇には、重厚な建物が並ぶ。大砲を見ながら進んでいくと、グラノビータヤ宮殿やブラゴベシチェンスキー聖堂があり、イワン大帝の鐘楼もある。イワン大帝の鐘楼に登りたかったが、15:30を回っており閉館していた。その裏には、鐘の皇帝があり、ものすごい大きさの鐘がある。高さ6.14m、重さ200トンもある世界最大の巨大な鐘。製造中に割れてしまったので、誰も音を聞いたことがないのだ。確かにでかい。その後、クレムリン宮殿を見ながら、武器庫を見学。1800ルーブルとかなり入場料が高い。ロシアの武器が所狭しと並んでいる。
  
(左)モスクワ川にかかる橋からクレムリンを望む。    (中)イワン大帝の鐘楼。登れなくて残念。  (右)鐘の皇帝。これだけ大きければ、どんな音がでたのだろうか。

クレムリンのなかをほぼ満喫して、見学時間が約2時間。とても満足だ。かなり疲れたので、でたところの芝生で休憩。家族でどんぐり投げをして楽しむ。なごむひとときだ。冬のロシアは厳しいだろうが、夏はとても過ごしやすい。1時間ほど芝生で休憩&遊んで、正面の方に回る。すると、閲兵の交替式がちょうど行われていた。足を高く上げて歩くさまはとても格好いい。無名戦士の墓も哀愁がある。これで、クレムリンはほぼ回ったことになり、とても満足した。気がつくと20:30になっている。あまり暗くなっていないので、時間感覚がおかしくなるが、結構夜遅くなっているのだ。食事を取って帰るかと思ったが、コローメンスコエの公園には入口があって、もしかすると閉まるかも、ということで、ホテルに向かう。昨日のスーパーに寄ってホテルに帰るが、公園入口が閉まるのはもっと後であり、中に入れた。ホテルに着いたのが22時前だ。モスクワを満喫できた1日であった。駆け足の旅、明日はもうスウェーデンだ。
  
(左)閲兵の交替式。足が美しい。    (中)グム百貨店の中。おとぎの国のようだ。1階のアイスがうまい!    (右)地下鉄でホテルへ向かう途中。美しい夕陽である。


8月14日 モスクワ⇒ストックホルム

昨日、モスクワ中心部を周り、ロシアにはほぼ満足状態。3泊でよかったと思いながら、のんびりと8:30に起きる。ストックホルムへの出発までにまだ時間があるので、コローメンスコエの公園を歩いて回ることにした。ここにも世界遺産がある。のんびりとホテルで過ごし、11:30にチェックアウトして、公園へ。昨日とはうってかわって、めちゃくちゃ寒い。雨が降っているから余計寒く感じる。お盆だというのに、季節感がまったくわからなくなる。寒い中、世界遺産の教会がある丘にいってみる。寒すぎてあまり人も歩いていないが、教会の周りには、さすがに人がいた。教会のなかに入ろうとするが、チケットを見せろという。持ってなかったので、チケット売り場にいってみるが、誰もいない。昼休みなのか。教会内部の見学はあきらめ、外から写真をとる。遠方にはモスクワ川が見える。教会から、少し下に降りていくと、モスクワ川のほとりにでる。川のほとりは、風が強くて、さらに寒い。それでも、石投げをしてしばらく遊ぶ。寒さに耐えられなくなってきて、ホテルのほうに向かって歩く。遊覧船乗り場があるが、寒すぎて営業すらしていない。お盆にこんな状態であれば、いつ営業するのだろう?と疑問を感じながら、さらに歩く。小さな幼児向けの遊園地があり、ここは小さい子ども達で賑わっている。それを横目に見ながら、ホテルのレストランへ急ぐ。とにかく、何か暖かいものを飲みたい、コーヒー飲みたいとホテルへ。家族でスープやコーヒーを飲みながら、暖をとる。生き返った気持ちだ。しかもスープはかなり美味しい。ロシアはあまり美味しいものがないイメージだったけど、完全に印象が変わった。どこで食べても美味しいのだ。
  
(左)世界遺産のボズネセニエ教会。上がロケットの形をしており特徴的。奥に見えるのが満腹の館。皇帝の食事をつくったところだ。
(中)チケットすら売っていないモスクワ川の遊覧船。 (右)とてもおいしかったホテルのスープ。

14時にハイアーが迎えにくる約束だったので、その前にレストランをでて、荷物をピックアップする。ホテルの受付は、日替わりで違う夫婦に変わる。最初みたときは、老夫婦がホテルをこじんまりと経営しているのかな、と思ったけど、違うようだ。どういうことなのかよくわからないし、聞けるほどの語学力もない。この日の奥さんはとても優しい方で、しかも愛想がいい。ロシア語でまったく通じないけど、最後に、本を見ないと言えないのだが、До свидания. (ダ スヴィダーニャ)というと、柔かに言い返してくれた。なごむ。ハイアーのお兄さんもとてもいい人である。ロシア人は、冷たくて怖いというイメージがあったが、この旅のなかでは、そんなことは微塵も感じなかった。お世話になったホテルをあとにして、モスクワ中心部を通り、昨日歩いたクレムリン周辺を見ながら、空港へ向かう。それほど渋滞もなくて、ホテルから1時間ほどで到着。早めに出発したけど、返って空港に早く着きすぎた。まだ15時だ。

とりあえずチェックインして荷物を預けることにするが、まだカウンターが開いていない。ようやく開いたかと思い、チェックインするが、荷物がどうしてもストックホルムでなくて、オスロまでになってしまうのだ。モスクワからオスロまでの航空券をとったが、ストックホルムでトランジットというチケットになっている。そのため、ストックホルムで1泊するのに、荷物がオスロまでいってしまうことになる。少し太ったおばちゃんが悪戦苦闘するが、ダメで、近くにいた男性を読んで処理するがダメ。最後に、しっかりしたマネジャーのような女性がきて、さささっと処理して、難なく解決。怖い顔してパソコンを叩いていたおばちゃんも、やっとできた、といった感じでほっとしていた。15時についたのに、ようやく17時にイミグレを通過となった。ま、早く空港にきておいてよかった。それでも少し時間があったし、ルーブルが余っていたので、食事をとることにした。少し高くて、それほどおいしくなかったが、空腹はみたせた。18時に飛行機に搭乗し、18:20に出発!短い滞在だったけど、ロシアを十分に堪能できた。
  
(左)空港に売っていたマトリョーシカ。街に比べるとかなり高い。 (中)ソビエト時代の国旗は格好よかった。その名残のバッジ。 (右)飛行機のタラップにはソチオリンピックの絵が書いてある。

モスクワとストックホルムは時差が2時間ある。飛行時間は2時間であるが、出発した時間の18:25にストックホルムに到着。なんだか得した気分。首都の空港といえども、かなり小さい。イミグレは3つほどしか窓口がなくて、しかも木製の建物であり、こじんまり感がある。それでも、それほど人がいないので、30分もかからずに、市街地までの特急に乗る。事前に買っておいた、アーランダエクスプレスという空港特急だ。社内はとても綺麗だし、快適。のどかなスウェーデンの田舎の風景をみながら、市街地へ向かう。20分ほどで到着。さすがに賑やかそうな市街地だ。駅から荷物をひきずりながら、ホテルへ向かう。坂になっているところもあって、やや苦戦するものの、20分ほどで宿泊予定のスカンディック・セルゲル・プラザ・ホテルに到着。そこそこ大きいホテルだ。スカンディックは北欧でも、大手グループのようで、いたるところで見る。そのホテルがここである。チェックインを済ませ、街へ繰り出す。近くでは、音楽会が開催されている。ロック系だ。とりあえずお腹がすいた。久しぶりに中華か?と思うが、ホテルに向かう途中に見つけたケバブの店に入ることにした。イスタンブールを思い出す。満腹になったところで、観光名所であるガムラスタンに入る。雰囲気がとてもいい。狭い路地の横にはずっと店が続いている。スウェーデンの国旗の色である黄色と青色が目立つ。店をみて楽しみながら進んでいくと、ガムラスタンをすべて歩ききっていた。対岸の島には、橋がかかっているが、すぐそこなので短い橋だ。パブなどもあって、とても雰囲気がいい。夜風も心地いい。ガムラスタンを引き返してくると、食後で2時間も歩いていた。ストックホルムはほんとに短い滞在になるけど、予想どおりのいい街そうだ。明日の朝の散策が楽しみになってくる。
  
(左)綺麗な形をしたアーランダエクスプレス。      (中)ガムラスタンの入り口付近。           (右)両側には店が並ぶ。


8月15日 ストックホルム⇒オスロ

昔、ネッスルのコマーシャルで、「ストックホルムの朝〜」というのがあった。朝に、ストックホルムの島々や朝もやのかかるなか、コーヒーを飲むというものだが、とても印象に残っていた。いつかは行きたい!と思ったいた場所に、今いるのだ。そう思うと、感動する。この日もゆっくりと8:30起床。ホテル1階のバイキングにいくが、とても食べるものが揃っている。思わずとりすぎてしまうが、どれも美味しい。至福のひとときである。チェックアウトを一旦して、荷物を預ける。そして、街を散策だ。まずは、スウェーデンといえばノーベル賞。授賞式が行われるというコンサートハウスへ。美術館のような造りで、中に入ると豪華さを漂わせている。大理石らしきものでできた階段などがあって、このあたりかな〜といいながら見学。そして、その前がヒョートリエットといわれる青空市場。所狭しと食材が並んでいる。きのこみたいなものが目立つ。ぶらぶらしながら、市役所の方に向かう。市役所は、ノーベル賞の晩餐会が行われる場所だ。橋を渡っていってみると、すごい人。市役所がこんなに観光名所になっているなんて、珍しいかも。海沿いにあるのでとても気持ちよく、しばらく風にあたって休憩。ダムラスタンが一望できるし、眺望もすばらしい。多くの人が清々しい昼下がりを楽しんでいる。市役所の中に入ろうとするが、すごい人で、入場するまでに時間がかかりそうだ。晩餐会場見学はあきらめて、塔に登ろうとするが、ここも人がいっぱい。次の入場が2時間後ぐらいになっている。飛行機の時間もあるし、泣く泣く諦めた。
  
(左)コンサートハウス外観。              (中)市役所からガムラスタン方面。          (右)ガムラスタンに向かう橋から市役所を眺める。

市役所をあとにして、ガムラスタン方面へ。島ばかりで、橋をいくつか渡った気がするが、橋からみる海や市役所もこれまた美しい。水がある風景というのは、ほんとにいいものだ。ガムラスタンではまずは王宮に行くが、ここもすごい人。チケット買うのに一苦労だし、入っても見て回るのに時間がかかりそうなのでパス。そこからしばらくいったノーベル博物館にいくことにした。小さな広場の前に、少しこじんまりとした建物がそうだ。中に入ると、ノーベル賞を受賞した方々のパネルやらサインやらが所狭しとある。改めてノーベル賞にはいろんな賞があるのだとわかる。なかでもわかりやすいのが、ノーベル平和賞だ。一通り見た後、晩餐会に出されるアイスクリームを食べさせてくれるカフェにいく。その前に並んでいる椅子の下には、受賞者のサインがある。アイスクリームはボリュームたっぷりで、食べごたえがある。162クローネ(2000円ちょっと)だから、高いといえば高いか。
  
(左)ノーベル平和賞のオバマ大統領。大統領が平和賞というのもピンとこないのであるが。 (中)ノーベルさん。  (右)晩餐会で出されるボリューム満点アイス。  

そろそろ空港に行かないといけない。駆け足だったが、ストックホルムも満喫だ。ホテルで荷物をピックアップする。ボーイが日本人ぽいので、息子が日本人か?と聞いてくる。それなら自分で聞いてみたら?と英語を話すと、韓国人だということ。息子にとっては、ほとんど初めて会話のような英語を話したことになるか。気分上々だったようだ。そして、15時過ぎの特急にのる。それほど大きくないので、イミグレも簡単ですぐに中に入れた。しばしSASのラウンジでのんびり。17:30に出発だ。さー、次は最後の国、ノルウェーだ。ロシアとともに、メインの国。フィヨルド行くのにとても楽しみである。1時間20分ほどでオスロに到着。フィヨルドに直行してもよかったのだが、ムンクの叫びが見たかった。空港から特急で中心部へ。20分ほどでオスロ駅に到着。そこから、ホテルまで歩く。オスロの街は、もう少し観光地っぽくなっているのかと思いきや、普通の田舎の都市という感じだ。駅前にデパートがあって、通勤客や買い物客で賑わっている。トンホテルステファンだったが、30分近く歩いたか、結構遠かった。ムンクの叫びがある、国立美術館近くのホテルにしていた。

チェックインするとびっくり。ツイン2つを予約していたが、シングル2つになっていた。1晩だけであるけど、やっぱり子供と寝るにも狭い。フロントにいって、部屋を変えてくれないかと交渉するが、この日は満室。残念ね〜、次来た時はツインにするわね、と明るくお姉さんに言われてしまうと、笑うしかない。その夜は仕方なく、子供とせまーいところで、縮まって寝るはめになった。気を取り直して、オスロ市街地を散策する。港が近かったので、ぶらぶら歩き、ノーベル平和記念館をみて、晩御飯を食べる。適当な店がなかったので、バーガーキングにした。とても賑わっていて、店員さんもおおらわら。しかも愛想が悪い。頼んでいたものが、その通りに来なくても、知らん顔。もうえっかということで、ハンバーガーをほおばる。そんなこともあったので、なんとなくオスロには変な印象がある。よく見ると、港近くだし、若者が騒いでいるし、なんとなく気味が悪くなってくる。そういえばノルウェーはもともと海賊が作った国でもあるので、そんなお国柄なのか?と思ってしまう。ホテルに帰って、みんなでトランプして寝た。
  
(左)オスロに近づいてくると、のどかな風景が広がっている。 (中)ノーベル平和賞の記念館にあるアウンサンスーチーさんの写真。 (右)ライトアップすると美しい。


8月16日 オスロ⇒スタバンゲル

オスロを観光して、いよいよ最終目的地のフィヨルドへ向かう日。ノルウェーといっても広い。地図では近くに見える街も飛行機で1時間ほどかかるのだ。飛行機は夕方の便だったので、それまでオスロ市内を観光する。といってもオスロで見たかったのは、ムンクの「叫び」だけと言えばそれだけだ。国立美術館に近いホテルだったので、ホテルに荷物を置かせてもらい、美術館に向かう。さすがにたくさんの人がいる。国内外の美術品を所蔵するノルウェー最大の美術館。エドワルド・ムンク(Edvard Munch)の主要な作品が展示された ムンクの部屋 は必見とのこと。さすがにムンクの部屋にいくまでには、いくつかの展示がある。前座のような感じだが、それでもゴッホやピカソの絵があることにびっくり。ムンクの絵は撮影禁止なのだが、ゴッホやピカソの絵は撮影可能なのだ。どちらかというと、ムンクと同等かむしろ有名かもしれない人たちの絵は撮影し放題というのは、得した気分だ。しかも見たことのある絵もたくさんある。あまり絵には興味ないのだが、つい見入ってしまう。そしていよいよムンクの部屋にいく。さすがに警備員が監視している。そしてひとだかりがすごいところが「叫び」だ。1893年に描かれた作品である。幼少期に母親を亡くし、思春期に姉の死を迎えるなど病気や死と直面せざるを得なかったムンクが、愛や死、そして不安をテーマとして描いていてが、「叫び」は代表的な作品だ。独特にタッチで描かれた人物、血のように赤く染まったフィヨルドの夕景と不気味な形、赤い空に対比して暗い背景を遠近法で描いたもの。ムンクが感じた幻覚にも基づいているようで、日記に以下のように記されているようだ。

「私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、ひどい疲れを感じて柵に寄りかかった。それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みにかぶさるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫いて果てしない叫びを聴いた。」

絵を見ていると、まさにムンクの苦悩がよく伝わってくる。この人物が叫んでいるのではなく、自然を貫く果てしない叫びにこの人物は驚いて耳を塞いでいる。ちなみに、この場所はオスロ郊外にあるようだが、後ろはオスロフィヨルドだと言われている。その場所に行きたかったのだが、時間がなく断念。観光地図には載っている。叫びを見てしまえば、もう満足。一階の売店にいって、ムンク関連のグッズを見て回る。有名で、しかも昔習った絵を見るというのは、感動するものだ。


国立博物館のページ

  
(左)ゴッホの自画像。   (中)ピカソの男と女。   (右)ムンクの作品のマグネット。絵は撮影禁止なのでマグネットでがまん。

オスロにはそれ以外はあまり調べていなかったのだが、王宮があるのでいってみることにした。国立美術館からしばらく山側に歩くと、芝生があってその先にある。芝生は気持ちよさそうだったので、しばらく休憩。寝転ぶ。王宮の周りはとても人が多い。そして閲兵の交替式があるようなので、見に行った。こじんまりしたところで、やっている。しかも、普通の砂利道でやっているので、なんとなく迫力はなかった。それでも観光客はその周りと取り囲んでいる。しばらく見ていたが、急にみなさん、動かなくなった。何が起こったのかわからなかったが、しばらく見ていても一向に動かない。そろそろ時間もあるので、駅に向かうことにする。ホテルに荷物をピックアップするが、それまでにオスロ大学がある。工事中であったが、その前にムンクの像があったので、記念撮影。オスロを堪能した。中央駅を14:30頃に出発。空港には15時前につくが、昼ごはんを食べてなかったので、ソーセージを食べる。とてもうまい。オスロ空港は拡張工事をやるようで、その工事をやっている。確かに首都の空港としては、狭い感じはする。
  
(左)王宮。建物の前あたりで閲兵の交替式があった。   (中)オスロ大学。ムンク像がたっている。   (右)オスロ中央駅前は少しごちゃごちゃした感じ。

定刻通り16:15に出発、この旅初めての国内線だ。格安航空のノルウェーゲンという飛行機会社。どんなものかと思っていたが、ノルウェーではかなり大手のようだ。しかも翼に人物の絵が書いてある。機内もきれいだ。オスロ郊外ののどかな風景を見ながら、スタバンゲルに向かうが、途中から雲が多くなってきて景色を楽しむことはできなかった。残念。わずか45分で到着した。最初、レンタカーを借りてオスロから行こうかと思っていたが、5時間以上かかりそうだったので飛行機にしたのだが正解だ。時間を有効に使えた。スタバンゲルに降り立つと雨が降っており、しかもかなり寒い。冬なみだ。レンタカーを借りて街に向かう。のどかな風景の中を走る。道は広くて整備されているので走りやすい。19時前に到着。ホテルは港の目の前だ。大型客船が停まっておりすごい迫力がある。ホテルもとても綺麗で、よかった。しかも、夕食がついているとのこと。とても得した気分。買い物がてら街をぶらぶらして、ホテルで夕食。いよいよ、明日はリーセフィヨルドだ。天気が回復することを祈りながら就寝。
  
(左)ノルウェーゲンの飛行機に乗り込む。絵は見事。   (中)ホテル前に停泊していた大型客船。   
(右)Clarion Collectio Hotel Skagen Bryggeのホテルのリフレッシュコーナーからの港の夜景。コーヒーがタダで飲めるというのも魅力だ。


8月17日 スタバンゲル⇔リーセフィヨルド

少し早く7時に起きる。天気を見ると曇っている、しかも寒い。ホテルのロビーには暖炉がたいている。とても夏の旅行とは思えない。晴れることを祈りながら、8:20にホテルを出発。スタバンゲルからまずはタウという街までフェリーに乗る。フェリー乗り場まで行くが、タウと書かれた看板の前で待つ。しばらくすると船が到着し、車や人が降りている。そのあと乗り込むが、特にチケットは売ってなかった。フェリーに乗るというのも風情があるものだ。寒いのだが、看板にいって景色を楽しむ。するとチケット代を回収しにおっちゃんがやってきた。大人44NOK、子供22NOKなので、大人660円程度。高いといえば高いか。ノルウェーの人にとってフェリーは道路みたいなものだから、移動が多い人には出費が大変かもしれない。30分ほど船旅を楽しみ、タウに9:30着。しばらく景色を見ていたのであるが、船が止まるのがわからなかった。すると、みんな下りていってるのであわてておりる。次はプレーケストーレンまでバスだ。バスが1台あって並んでいる。出遅れたので一番後ろになった。すると、バスがいっぱいになって乗れないという。見ると、バスの後ろに乗合タクシーがあった。無理すればバスにも乗れたのだが、ははーん、結託してタクシーに乗せようという魂胆か。ま、気にせず乗合タクシーに乗る。欧米人夫婦と中国女性3人と一緒だ。4人で150NOKだから、ボラれてもいないようだ。
  
(左)ホテルのロビーにある暖炉。確かに寒い。  (中)こんな感じでフェリーに乗り降りする。   (右)船旅はいいものだ。

30分ほどでプレーケストーレンのふもとに到着。いよいよ山登り+フィヨルド観光だ。ガイドブックによると、結構ハードな道らしい。しばらくなだらかな道が続くが、だんだんと急になってくるし、ゴツゴツの岩があったりと、確かにハードだ。息子に置いていかれないように、必死についていく。みんなマイペースで登っているが、血気盛んな息子はどんどんと登っていく。お母さんとお姉さんははるか後方だ。1時間ほど経つと、視界が開けてきた。そろそろ海が見えてくる感じだった。1時間ほど歩いたので、ここで休憩。ベンチなどもあって、みんなの休憩場らしい。ここで2Kmほど歩いたことになる。10分ほど休憩して、また歩き始める。池を過ぎて、広いところにでると、さらに視界が広がる。端まで行くと、景色が良かったので写真を撮る。すると母+娘が追いついてきた。そこから4人でさらに登っていく。さらに歩いていくと、急に視界がさらに広がってきて、ついに海が見えてきた!断崖を歩いていくと、突然、見たかったプレーケストーレンに到着。ふもとから4.8Kmで、休憩を含めて2時間かかった。
  
(左)ふもとにある地図。結構キツそうだ。   (中)中間地点の休憩所。   (右)ついに見えてきた瞬間!

おーすごい!岩が割れそうだ。高所恐怖症なので、実はこういうところは弱い。でも景色が美しすぎて、興奮するのだ。足元に気をつけながら、岩の端っこまでいってみる。すると、足を投げ出している人たちもいる。なんて命知らずなのか。このしたは600mもあるのだ。落ちたらもちろん死んでしまう。それでも、みんな思い思いに楽しんでいる感じ。この巨大な岩を上から見たいと思った。付け根の端っこから登っていくが、かなり急な岩場。なんとか登りきり、見下げるとこれも素晴らしい景色が広がっている。しばし写真を撮りまくる。場所を移動して、そこでふもとから持ってきたおかしを食べる。これが昼食だ。心地よい風に吹かれながら、気持ちよい時間を過ごす。そして、さらに上から見たいと思い、崖を登っていく。かなり高くなってきたので、人はもういない。かなり下にプレーケストーンを見る。家族だけの世界になるので、ここでもしばらく景色を楽しむ。来てよかった〜と思う瞬間だ。結局、2時間30分ほど、岩場にいたことになる。確かに気持ちよかった。しかも、途中から奇跡的に晴れてきた。晴れると景色も格段に違うものだ。リーセフィヨルドは、「光のフィヨルド」という意味らしい。確かに晴れると、白い岩が光っていて、そんな感じもする。
  
(左)いまにも割れて落ちそうである。   (中)変わった形をしている岩だ。   (右)雄大な景色である!

そろそろバスやフェリーが心配になってきたので、降りることにする。もう15時で寒くなり始めている。登ってきた道とは違う、山道のほうを通る。はるか遠くには、スタバンゲルの街がかすかに見える。下りはとても楽ちん。どんどんと足が進んでいく。かなり急な岩場でも、飛びながら降りていくととても早い。登りは2時間かかったが、下りは1時間30分で到着。しかし、バスが1時間ほど後ろでないとこない。土産物屋があったので、バッチなどを購入して時間を潰す。バスに乗れるか心配だったが、帰りはそれほど人がおらず、半分ぐらいしか埋まっていない。タウまでいき、同じルートでフェリーに乗りスタバンゲルへ。スタバンゲルにつくとすでに19時だ。丸一日かかったことになる。オスロから日帰りもできないことはないが、かなりきついかもしれない。スタバンゲルは綺麗な街でもあるので、ここに滞在するほうがベターだ。この夜もホテルで夕食をとり、ぐっすりと休む。とてもいい1日だった。
  
(左)はるかかなたにスタバンゲルが見える。   (中)ふもとにあった地図。地形がとてもわかりやすい。   (右)スタバンゲルに帰ってきた。綺麗な街だ。


8月18日 スタバンゲル⇒ベルゲン

旅ももう終わり。8時に起きるが、小雨が振り、しかもかなり寒い。旅も終わりだし、なんとなく寂しい感じだ。スタバンゲルを離れる前に、日本に絵葉書を送るということで、切手を買いに行く。そして投函。ベルゲンまでいくので、念のためそれまでの地図も購入。スタバンゲルはこじんまりしているけど、海が近くにあってとてもいいところだった。町並みも綺麗だし、歩いていても気持ちがいい。11時にホテルを出発して、スタバンゲルともお別れだ。一路、ベルゲンへ向かう。しばらく北上すると、海があるのだが、トンネルもあるはずだ。30分も走ると、海が見えてきて、そして地中深くにもぐるトンネルがあった。かなり長い。6Kmほどはあったであろうか。海底を通っていると思うと、少し怖い気もする。そしてスタバンゲルを出て45分ほどで、Mortavikaという街についた。ここからはさすがにフェリーらしい。しばらく待ってからフェリーに乗り込む。車で乗るのは初めてだが、1階と地下にわかれているのだ。地下に誘導された。フェリーもとても快適だ。昨日タウまで乗ったフェリーと同じ系列のものだ。30分ほどで、対岸のAvsuagenに到着。地図で見るとかなり遠そうに見えたが、フェリーは意外にも早い。そこから牧歌的な風景を見ながら、さらに北上する。とにかく、小雨なので景色がイマイチである。それから2時間弱ほど走ると、ベルゲン近くまで行くフェリー乗り場がある。街の名前はSandvikaというらしい。
  
(左)スタバンゲルの本屋。    (中)何キロもある海底トンネル。4、6、8Kmの3つのトンネルを通った。   (右)のどかな風景が広がっている。


ベルゲンにいくまでにも、遠回りすればフィヨルドがあったのだが、天気が悪いことと、一般道ばかりなので、かなり時間がかかりそうだったので、直線的にベルゲンにいくことにした。リーセフィヨルドを見た後では、あまり感動もないかもしれない。フェリーから行こうと思っていたフィヨルド方面を見てみるが、曇っているし遠くなのでよくわからない。30分ほどでHaljemというところに着いて、一路ベルゲンへ向かう。もうベルゲン郊外のようだったので、だいぶ家が増えてきている。そしていよいよベルゲンの街中に入っていく。ホテルは港が見えるところにしていたので、市街地を通りぬくていく。しかも、かなりの雨が降ってきた。ベルゲンは晴れている日が珍しいぐらい雨の多いところだが、まさにその通りだ。そしてようやく16時過ぎにホテルに到着。スタバンゲルから約180Kmだ。

ホテルはストランドホテルで老舗のようだ。チェックインするが、システムトラブルとかで、1部屋しかチェックインできないとのこと。仕方ない。荷物をとりあえずおいて、車でベルゲン市内観光だ。ベルゲンといえば、世界遺産のブリッゲンだ。ドイツのハンザ商人の家や事務所に使われていたものである。13から16世紀に建てられたようだ。長屋のような感じであるが、古すぎて家が傾いているものもある。中に入るが、木造りで雰囲気はある。ほとんどの家は店になっていて、バーやお土産物屋になっているのだ。海沿いで雨も多い地域だけど、よくこの建物が持っているものだと感心する。世界遺産だけあって、とても人が多い。ブリッケンにも満足して、市内のパーキングに車を置く。飲み物などを買おうとコンビニに行こうとするが、突然すごい大雨になってきた。さすがにベルゲン、雨の記憶しかない。買い物をして、ホテルに帰る。ホテルでピザなどを食べて、最後の夜はトランプをして過ごす。長くて、そして寒い旅だった。
  
(左)世界遺産のブリッケン。   (中)ブリッケンのなか。カフェになっていたりする。   (右)ホテルからの夜景。とても美しい。


8月19、20日 ベルゲン⇒フランクフルト⇒北京⇒関空

8時に起きる。しかし、また小雨。しかもとても寒く13度しかない。夏の旅行とは到底思えない。このあたりは鼻がぐちゅぐちゅいって体調も悪ったのだ。一瞬でもいいから晴れているところを見たかったものだ。ホテルで朝食をとり、ホテル前にある市場を歩いてみる。すると、市場のおにいさんたち、日本語を話すのだ。いかに日本人観光客が多いかがわかる。魚などを売っているものの、生ものは当然買えない。眺めるだけにして、街並みをみて、ホテルへ。これで観光はすべて終わりだ。ホテルを10:20に出発。ベルゲンの空港までは高速(無料)もあって、とても走りやすい。わずか30分で到着。ハーツのカウンターに行くが、誰もいない。それならと、まずはチェックインだ。SASのお兄さんにお願いして、荷物を関空まで送れるように依頼。すると、OKとのこと。手際もよく、すぐにチェックイン完了。そしてまたハーツにいくが、誰もいない。仕方ないので、ポストにキーをいれて、イミグレを通過だ。スタバンゲルで多めにノルウェークローネを現金化していたので、お土産を買うことにした。ノルウェーの国旗を描いたチョコレートはとても魅力的だし、絵が綺麗だった。定刻どおり12:45にベルゲンを出発。飛び立ってしばらくすると、綺麗なしまなみがみえたが、心なしか晴れている感じだった。ベルゲンをあとにしたあと、晴れるなんて・・。

フランクフルトには2時間で到着。北京行きの搭乗まで2時間以上あったので、ルフトハンザのラウンジによる。フランクフルトのルフトハンザラウンジなので、いろんなところにある。搭乗口専用のラウンジのようだった。そこでしばしゆっくりしていると、いつの間にか時間になっていた。急いで窓口にいくと、女性が怖い顔をして立っている。2回もラストコールしました!と強い口調で言われた。ひたすら謝ってなんとか入口を開けてくれた。飛行機に乗り込むと、とても快適な座席だ。少し広いし、綺麗だ。17時過ぎに出発。北京には翌朝の8:30着だ。飛行機を下りて見てみると、なんと総二階建てのエアバスではないか!これに乗りたかったのだが、まさに今乗っていた飛行機がそうだったのだ。どおりで快適だった。得した気分になる。北京では5時間以上も時間があったので、外に出たかったのだが、家族の反対に押し切られる。喉が渇いたので、ハーゲンダッツでアイスを食べる。中国といえども、ハーゲンダッツは高いのだ、そして、北京空港のラウンジへ行き、ラーメンやらおかしやら、いろんなものを食べて、ゆっくり休む。関空には18:30頃に到着。日本に降り立った時に、ムワッとした暑さというのはすごいものだ。北欧とのギャップは特にすごい。体調がほんとに悪くなりそうだ。来年は夏の旅行だし、暑いところに行こう!と決めた瞬間であった。
  
(左)ベルゲンの朝市で売っていた魚?   (中)ホテルから見るブリッケン。   (右)総2階建てのエアバスA380。

〜完〜


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